小学校受験 二次試験
1時間後、親によるくじ引きで、この合格者の中から10人補欠者を決めるという酷な二次試験が待っていた。
大吾にくじ引きは緊張するから、大吾に出てほしいというと、「お前の方がくじ運いいやん」
と言って託されてしまった。
迎えた、二次試験のくじ引き会場。受験番号順に並んでる無駄に30分以上待たされたので、一緒に面接を受けて受かった2人のお母さんと、過酷な受験だったよねだの、どこの塾だったのと話しながら待ったいた。そしていよいよくじ引きの時が来た。
くじ引きって何よと思っていたが、本当に箱の中心に穴が空いて番号の書いた紙を穴の中に手を入れて取るという、レトロなスタイル、その引く順番も受付でランダムに渡されたら順番で行われた。受付で渡された順番が、最後から2番目だった。そこでなんとなく嫌な予感はした。
穴の中に手を入れると、一つしか紙が触れなかったのでそれを引き上げた。その後もう一人が最後の紙を引いた。
全員が引き終わった後、何番から何番は補欠ですと言われた。その中に自分の引いた番号が見事に入っていた。最後に引いた人は合格、仲良くなった面接メンバー2人も合格、私だけ補欠。
なんやねーん!!と悪態をつきたくなったが、私より先に悪態をついた人がいたので冷静になった。
大吾に怒られるの方が先にたった。大吾に連絡すると、案外あっさり、「まじかー、まあ、くじってそんなもんやろ」と言ってくれた。
もしかして、こういう時に、白か黒かのギャンブラーの良いところ発動する?でも、良かった。責められはしなかった。
息子に報告すると、合格した事は、すごく喜んでいた。でも、行かないというか、行けないというと、「⭕️君と一緒の小学校に行きたかったから良かった」と言われた。
小学校受験は、落ちてしまっても、切り替えて普通に近所の小学校に楽しく過ごすことが容易で普通だと思う。
親が思うよりあっさりと受け入れてくれた。
受験自体が親のエゴなんだろう。
でも、その時子供が望んだ事をつい実践したくなってしまう。
男2人は、あっさり受け入れてくれた。でも、私のくじ運で、天国から地獄に突き落とされたわけじゃなので、自分が一番納得できずモヤモヤしていた。
それを感じ取ったのか、次の日大吾がランチに誘ってくれた。しかも、フレンチのコース料理を予約してくれた。
そこで、くじ引きという大役を私に任せてしまって、それで落ち込んでいるなら、自分が引けば良かった、それで自分が責められた方が、お互い楽やったやろう。
頑張ってきたお前が落ち込む必要はないと言われた。
えっ、優しくない??モラハラに苦しめられてこの言葉。時々ある不器用な愛情表現に、その何倍も嫌な思いをしている気持ちをつい忘れてしまう。
そうやって、夫婦生活10年目を迎えようとしていた。