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事実を受け止める時
医師から紹介された近隣の中核病院の泌尿器科に大吾と受診に行った。
紹介状を渡すと、看護師から性液を入れる容器を手渡された。黙って個室に向かい採取した物を検査室に提出した。婦人科に提出する時も思ったが、容器に一滴くらいしか入っていなかった。早く異常に気付いていれば良かった。
その後の医師からの診察結果は、婦人科と同じ内容だった。
私から説明を受けても、どこか他人事だった大吾も、医師の診察結果を直接聞くと、自分の事として受け止めていた。
精巣で、精子が作られているか調べるには、睾丸にメスを入れて組織を切り取るしかない。精子が見つかればそのまま凍結して、体外受精をすると言う説明だった。
手術の説明と日程の調節をし、その日の診察は終わった。男の人が睾丸を切ると言う説明を受けると、こうも弱るのかと言うくらい落ち込んではいたが、男としてちゃんと機能しているのかは、知りたいと思ったのか、手術を受けると言ってくれた事は良かった。
医師の言葉ではっきりと無精子症と告げられ、事実を受け止めると、逆に子供が欲しいと言う気持ちが芽生えたようにも見えた。
どういう過程であっても、子孫を残すと言う事に対して、男としての役割を果たそうと思っているように感じた。
手術の日までどうかキレませんように。
キレると、自分の言ってた事さえ忘れてしまう節があった。その決心すら無かった事になったら大変だ。
モラハラ夫の子供を作るために頑張っている自分に言い聞かせるように、心の中でいいとこ探しをしてしていた。