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同窓会

大吾の地元の高校の同窓会のお知らせが家に届いた。
何十年ぶりの同窓会、どうしようか迷っているようだったが、行くように勧めた。

女だったら、同窓会は、少しでも綺麗な自分をお披露目したいと思い、美容室に行ったり、おしゃれな服を選んだりするけれど、特に気負いなく大吾は出かけて行った。

楽しめるのか?と言いながらも、最終の電車まで楽しんで帰宅した。帰宅後も珍しく饒舌だった。

「同級生が地元で歯科医になっていてびっくりした。
結構稼いでるんだらうけど、そいつに、会社を経営しているのに、奥さんが働いてくれて、羨ましいし、凄いと言われた。今まで、そう思わなかったけど、お前仕事続けとるのは、周りからしたらすごいんやな。そいつ曰く、働いてもらえるなら、これからも働いてもらった方がいいと言われた。」

人から言われんと気づかんかったん?そう思うと腹も立ったが、はじめて認められた気はした。
どんなに、大吾が儲けようと、社会から離れることと、自分の居場所、自分が認められる場所がある事は、私にとっては良かった。

もちろん、専業主婦になりたい気持ちはあった。でも、続けてきたのは意味があったんだと思う。

一通り、同級生の会話を聞かされ、「女子はどうやったん?」「ばばあばっかだった。」の人ひとことだった。

でも、その日から、なんとなく携帯を扱っている姿に違和感を覚えた。娘からも、「パパ、⭕️⭕️って言う女とLINEしとった」と言われた。それを聞いても、どこかで、大吾は、男として機能してないと思ったいたので、なんとも思わなかった。

現に、大吾は、大学のサークルの後輩の女子会に呼ばれることが月に1回あった。他の人に取ったら、歳の割にイケオジで、連れて歩いても絵にはなる。
私にとって、嫌な人でも、案外、他の人には、需要されていた。

でも、どこかに、モラハラで苦しめられているけれど、浮気はしないだろうと思っていた。
同級生の方、どうぞ、しばしお楽しみ下さい。位の気持ちで何も気づかないふりをして、日常は続いた。


この同窓会は、大吾の人生にとっては、いいタイミングで行われたと後々感じた。

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