アパートからの脱出
フィギュアと徹マン好きの大吾の友達と会った。
大学時代からの友達で、少しの間一緒に起業した仲だった。
友達は、保険会社を経営していた。
スーツを着ていて、営業トークが上手かった。「大吾君かっこいいやろー。昔からモテるんよね」「でも、結構酷いことしてきたけん、気をつけり」と、言われた。
大吾は、苦笑いしながら、「昔の話ね。」と言った。
気になってはいたけれど、友達に紹介してくれた安心感の方が勝っていた。大学時代の一部のエピソード的な感じかなと受け取った。
合鍵を貰ってからは、仕事以外は、ずっと部屋で過ごしていた。そろそろ同棲話を出してみようと、試みた。
「アパート古いから引っ越してきていい」と聞いたら、「荷物一部屋にまとまるならいいよ」と、あっさり了承してくれた。
荷物を最小限にまとめ、大吾の部屋のフィギュアを、慎重に、広い部屋に移し、狭めの部屋を私の部屋にした。
徹マンを告白した大吾は、大手を振って24時間の徹マンに出かける事が増えた。広いマンションに1人で居ることが増えたが、家賃、光熱費タダで、綺麗なマンションに住めて良かった。
付き合って2ヶ月にして、同棲にまで漕ぎ着けた。