【学年通信】　高校総体

数年前の夏、高校総体の会場で、心に残る光景があった

その競技の大会日程はすべて終わり、体育館の入り口は、帰る前に記念撮影などをする部員たちであふれかえっていた

上位大会に進む選手もいるが、ほとんどの三年生部員はこの大会で競技生活を終える。その場にいた三年生からは、会場を去りがたく思う気持ちが痛いほど伝わってきた

ふと気付くと、誰言うとなく声をかけ合い、中学で同じ地区だった部員たちが集まってくるのが見えた

中学の時に同じ地区内で競い合った後、その地区を離れ、全県各地の高校でその競技を続けた。そして、すべてが終わり、ユニフォームの違う面々が、互いの三年間の頑張りをたたえ合い、笑顔で一枚の写真に収まっていた

強豪校でなくとも、高校で三年間部活を続けることは容易なことではない。そして、部活動をやり通したことは、たとえレギュラーになれなくとも、それだけで偉大なことであると思う

これから進学する生徒、就職する生徒、秋田を離れる生徒、ここに残る生徒、進む道は違うが、彼らは、この部活動に費やした三年間を、心に強く留めることであろう

この光景に出会い、普通の高校生が、三年間、部活動をする意味について考えた夏になった。