29歳。数少ない同期とのちょうどいい距離感。
新卒で入社した制作会社では、同期が5人いた。
女子2人、男子4人。
4年目を迎えるまでには、
5人とも会社を離れていってしまったのだが、
そのうち2人とは定期的に会っている。
消防士になった同期とIT関係の会社で働く同期。
数少ない大切な同期との距離感がちょうどいい。
今は別の場所で働く者同士、全てが当たり障りない。
素直に、そして冗談まじりに悩みも互いが話せてしまう。
きっと、家族や恋人にはない感覚。
IT関係の仕事をする同期が、
「何を考えているか分からないとよく言われる。
人に興味がないんだと思う。」
と口にしていた。
確かに口数は少ない同期だが、
きっとそれを彼に対して言った人は
あまり彼との時間を過ごしてきてないのだろう。
親しい人に対しては、そのようなことが気にならない。
「何を考えているんだろう。」と思う前に
会話を繰り広げているのだ。
さらに、誰でも自分に興味はあるが、
他人にはきっとそんなに興味はないと思っている。
それをどれだけ興味があるように、聞くのか。
リアクションするかの違いなのではないだろうか。
私の持論だが。
確かに、過去恋人に対して「何を考えているの?」と
何度も思ってきたことが頭をよぎっていた。
そんな風に考え込む前に、同期と同じ感覚で
会話で吐き出せてしまえば楽だったはず。
簡単そうで、自然にできそうなのに、
「恋人」となった瞬間にそれができなくなってしまうんだろう。
だから、そんなことも気にせず一緒にいることができる
同期って大切で貴重な存在と思えた。