カッコいいじぃじぃが誇らしい話。
「お前なら大丈夫だ。」
そう言って亡くなる数週間前、
高校受験の結果発表を楽しみにしていた
おじいちゃん。
ここでは普段の愛称じぃじぃと呼ぶ。
受験当日の発表前に亡くなったじぃじぃ。
合格の嬉しさと、人生最大の寂しさに
襲われたあの日のことを私は鮮明に
覚えている。
発表後じぃじぃの枕元に
合格通知を置いて泣きじゃくった。
ばぁばぁの方が絶対に悲しくて
辛いはずなのに。
何故か私がずっと泣いてて
ご飯が初めて喉を通らない日が続いた。
そんな日からもう10年以上経つ。
今でもその日のことをたまに思い出す。
ばぁばぁともよくじぃじぃの話をする。
馴れ初めを先日初めて聞いた。
恋愛結婚だったという。
付き合ってしばらくして
「俺ん家来るか?」
これがプロポーズだったという。
ストレートでカッコいい。
じぃじぃ世代は
こんなにもストレートだったのか。
無口だったじぃじぃからの
最大限の愛情表現だったんだろう。
今私の携帯電話の後ろには
じぃじぃのカッコいい写真が入っている。
東京タワーでタバコをくわえてビシッと
スーツ姿で立っているじぃじぃ。
当時は禁煙なんて概念なかったんだ。
私はこの写真に一目惚れをして、
ばぁばぁに懇願して写真をもらった。
それからこの写真が色んな人に評判だ。
「おじいちゃんカッコイイ!」と
たくさんの人に言われている。
きっとじぃじぃも喜んでる?かな。
少なからず私は誇らしい。
私の中でじぃじぃはずっと変わらず
カッコいい存在であり続けている。