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「砂とシュラ王・3」

″あぁ、砂よ。ただ一握りの砂よ。僕の大事な、大事な砂よ。ただ流れ落ちることに何の意味があるというのか?″

″君は何のためにその身を削り、何のためにその一粒になったのか……!″


昨晩は、変な夢を見た。

ソーシャルゲームのガチャ文化が溢れる昨今。
その夢では籤(くじ)で、よく似た二種のデフォルメされた鬼のキャラクターを引いたのだ。

役小角は二種の鬼神を式神として使っていたらしい。

それを前鬼と後鬼という。

また、かの安倍晴明は十二神将という十二種の式神を行使していた。

……式神。
つまりは式/識の神は、つよいものも弱いものも、性格や能力も姿もさまざまあるという。

霊/零とは、つよく善きものは時の大河や海をも渡り、龍神のようにも化身を持つようにもなる。それらは星の影響下にあり、天地山海に数多と居る。

式神の式は、数式の式と同じく、システム。
脳に接続された身体という宇宙を意のままに動かす根幹となる仕組みとほぼ同義だ。

人の精神/神経は星の影響と共に育ち、身体は死後は魂魄に分かれる。

魂は天に昇り、魄はやがて自然へと昇華する。

それが宇宙における星という式。霊はそこを奔るのだ。

……と、そんな理屈っぽい、夢を見た。

僕は砂を一掴みすると、祈りを込めるように砂場へと戻した。

トキコはこの砂遊びが気に入ったのか、うれしそうに微笑んでいた。

              砂とシュラ王・3
              〜楽園の証明〜


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