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【読書記録】岡田哲也『で、ほんとはどうしたいの?』【感情を味わう】

この本を読んでいると、何度も何度も、「で、ほんとはどうしたいの?」と自身に問われます。
自分の「内側」ではなく、「外側」基準での目標とか夢とか、それが本当の自分の気持ちだと勘違いしていること、多いと思います。


私は子どもの頃から「将来の夢」というものが無く、何がしたいか分からず、大学受験をし、就活をし、内定を貰えた企業で働き…。
と、何となく周りと同じルートを辿ることが人生の正解だと思い、何も考えずに生きてきた気がします。

この本を読んで、「私は何がしたくて、ここまで生きてきたのだろう?」と考えてみました。
やりたいことが分からず、転職を繰り返している。
安定したいと思っているわりに、色んな業界を体験している。
そんな私は「人生一度きりだから、色んな世界を覗いてみたい」と心底思っているのだと気づきました。
だから、転職を繰り返すし、業界だって定まらない。
だって、色んな世界を見たいから。
ちゃんと自分の思った通りになっているのだと感じました。


以下、心に残った部分を引用します。

 声を大にして言いますが、「自立する」とは、誰にも頼らず、自分一人で全てをこなすことではありません。
 必要な時、必要な人に頼る(依存する)のが「自立する」ということです。

p.22

 子どもの頃なら、「最初からうまくいかないことだってある」と分かっていたはず。何だって、練習すればだんだんとうまくなる。大人になると、苦手なことを意識的に避けられるので、こんな当たり前のことを忘れてしまうんです。
(中略)
 ですから、これから「肚の声」「魂のワクワク」に従って行動しようとする人は、「失敗することもある」「楽しいことばかりじゃない」という前提を頭に叩き込んでください。
「肚の声」に従っていても、失敗はします。
 計画通りの人生を送ることは、最初から犯人が分かっている推理小説を読むようなもの。人生、何が起こるか分からないから面白いんです。
「こんなことが起こるなんて!」と「予想外」を楽しむ余裕を持ちましょう。
 そして、失敗を必要以上に重く受け止めないこと。

p.26~27

「べき」で生きるのを止めて
本音で生き始めると全ては自分だと気が付く。
批判してくる人が現れるなら
あなたがまだそう思ってるから。
ネガティブな感情が出てくるなら
あなたがまだそう感じたいから。
それは他人の意見ではなく自分への気付き。
「で、ほんとはどうしたい?」

p.36

あなたは憧れの人にはなれない。
あなたは何者にもなれない。
あなたはあなたでしかない。
何者かになろうとするのを捨てた時
あなたに還る。
最初から、あなたはあなただったのだから。

p.40

溺れるコツは、抵抗すること。
溺れないコツは、力を抜いて委ねること。
力を抜けば、そのまま浮ける。
水の中で浮き輪を必死に膨らますと、
もれなくその間に溺れるでしょう。
さて、水の中が人生としたら?

p.68

「恋人をコントロールしましょう!」
こう言われたらどう感じますか?
「感情をコントロールしよう!」も同じです。
「あなたをまるごと愛してます」
そうやって、自分の感情も丸ごと全部
抱きしめてあげればいいだけです。

p.86

 それと同じで、何度も落ち込んだり失敗したりしながらもそんな自分を受け入れ、その度に「あ、意外となんとかなるもんだな」というのを体感しているとだんだんと
【安心して不安を味わえる】
【安定していたたまれなさを味わえる】
 ようになっていくんです。

p.98

 思考は常日頃あれこれとやらない理由、できない理由を見つけてきますから、じゃあもしその問題がないとしたらどう?と視点を切り替えてあげることによって本音を導き出すのです。

p.126

「やってもお金はあげないよ」
と言われたら止めること。
を止めること。
「やってもお金はあげないよ」
と言われても楽しいからやっちゃうこと。
をやり続けること。

p.166

 たくさんの方とお話ししていて感じることなのですが、なんだかんだ人は悩みたいんですよね。苦しみたいんですよね。喜怒哀楽ごっこ。特に大人の場合はネガティブな側の怒る、哀しむごっこを本気でやりたがっているんです。

p.179

 喜怒哀楽味は、料理のごとくただ味わう。
 味わったら、味の余韻のごとく身体から消えていく。
 それだけを意識してみましょう。
 ちなみに、この【感覚を純粋に体験する】ができるようになってくると、
【不安のドキドキ感と期待のワクワク感】
【怒りのムカムカ感と情熱のメラメラ感】
 が近いことが分かります。
 自分の感情を否定せずに育った人の場合には、不安や怒りなどの感情も期待や情熱のエネルギーとして健全に自分が行動するためのエネルギーに転化できるのです。

p.347~348



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