人生初バックパック旅 -首都をなめたらあかん編-
前回、怒涛のフェズ観光を終え、モロッコ旅行も残るは1都市となりました。
最後に向かうのは、モロッコの首都ラバト。首都まで行けば都市も発展していて楽々だろうと思っていたのですが、この旅行で1番の危機を迎えることになるとは…
モロッコの丸の内
この日も、もはやこの旅行でお馴染みとなったCTMに乗って、ラバトへ向かいます。
ちなみに、CTMの駅に向かうためにタクシーを捕まえたとき、我々はほとんど現金を持っていないことに気づきました。
しかし、ご安心あれ。これから行くのは首都ラバト。両替すれば問題ありません。
CTMに無事乗車し、ラバトに到着。銀行を探すぞと思いきや、我々の前に立ちはだかったのは、圧倒的車社会。
タクシー代を持っていないので、仕方なく30分ほど歩く覚悟を決めたものの、そもそもバス停から地上に出る方法もわからず、駐車場をしばらく歩き回る羽目に。
すると見かねたのか、現地のおじさんが「こっち来い」という雰囲気で勝手に案内を始めました。
モロッコ慣れした我々にはわかる。これはチップを請求される流れだ。
しかし地上に出ないことにはどうすることもできないので、仕方なくついていくことに。無事エスカレーターの前まで連れてきてもらうと、おじさんは「じゃあな」と去って行きました…あれ、チップは?チップいらないの?
ただの優しいおじさんのおかげで、壊れたエスカレーターを階段のように登り、動いている錯覚で頭がぐらぐらしながら地上に到達。
ここからは、7kgのリュックを背負ってハイキングです。
他の町より気温も高く、厚着してきたせいもあってバテバテになりましたが、ハイテクパソコンで満面の笑みおじさんの広告を見て癒されたり、朝食の余りのカップケーキを食べたりして、なんとか栄えている一画に到着。
そして近くの両替所に向かうも、日本円の表記がなくあえなく撤退。
しかし、我々はサウナスーツを着て30分ランニングマシーンで運動したあとの状態。現金がないのなら、なんとしてもキャッシュレス対応の店で昼食を摂るしかありません。
そんな!あな!たに!
やっぱりチェーン店は最高です。
バーキンなんて日本でも行けるやん、と思ったそこのあなた。店員さんの気まぐれで、モロッコのYouTubeが巨大モニターで流れるバーキンなんてここだけです。
日本のバーキンに行かないので国内でも食べられるのかもしれませんが、ひき肉とチーズとフライドオニオンがかかったポテトがとてもおいしかった。
時々、近くのオフィスビルで働いていそうな大人がふらっときては、テイクアウトしていきます。
どうやらここは、日本の丸の内的な場所のようです。オフィスビルの形、独特すぎるけど。
500年後、「この遺跡は、かつてモロッコ人という人種が、オフィスと呼んで集っていた場所です」とか紹介されていそうな形状。なんならゼルダの伝説でこういうのよじ登った記憶がある。
それはさておき、腹ごしらえも済んだ我々は、現金を求めて放浪を続けるのでした。
日本円はどこに
ホテルの方に向かうには、どうしても車に乗らざるを得ない。しかし現金がなく、ぼったくられたら一巻の終わり。ということで初めてモロッコの高速ではないバスに乗ることに。
といっても、そのバスの運賃が調べても全く出てこず、そもそも先払いなのかもわからず、なんならどのバスに乗れば目的地に行けるのかもわからず、到着しては出発するバスをバス停からぼーっと眺め続けていました。
こんなことでは一生動けないので、バス停にいた青年に話しかけると、アラビア語しか通じないようで、彼の方から翻訳アプリを起動して会話を試みてくれました。なんて優しいんだ。
同行人とその青年が2つのスマホを交互に見せ、日本語のキーボードとアラビア語のキーボードをお互いぽちぽちして、たまに英語も交え頑張った結果、一緒のバスに乗って、降りるバス停で教えてくれるとのこと。
なんて優しいんだ!いくらでもチップ払います!!!
優しい青年が、定期的にバスの運転手さんにどれくらいで着くか聞きに行ってくれ、無事目的地に到着。ところがチップも何も請求されず、モロッコの都会っ子に感服しながら降車。
そして着いたのが、なんかわからんけど大きいショッピングモール。
ここの両替所なら流石に日本円取り扱ってるでしょ、と思い直行。
予想通り、日本の国旗のマークがありました。
列に並び、スタッフに「日本円をモロッコディルハムに」と伝えたところ
「日本円はもうモロッコのどこに行っても両替できないんだ」
え?
親切なお兄さんではあったので、絶望する我々になぜかおすすめ観光地をその場で色々書いてメモを渡してくれました。
ありがとう、でも行くお金がないんだ。
結局、このままだと歩き続けて餓死するので、同行人のカードで海外キャッシングをして、なんとか現金を手に入れました。
しかし、調子に乗って使うと同じ悲劇が起きるので、そこからも徒歩でホテルまで向かうことに。
歩くことでしか見られない景色や出会えない猫がいる、ということを実感しながら、駅に到着。
ここで、次の日のスペインに戻る特急券を購入しておきます。
その名もONCF。社会人になった筆者には、なにかのビジネス用語にしか見えなくなりましたが、モロッコ国営鉄道のことです。
チケット売り場の人は普通に英語が通じるので、みどりの窓口と同じテンションで行けば問題ありません。
駅の表側はThe 都会という雰囲気ですが、しばらく反対側に歩いて道路を渡ると、あっという間に、今まで巡ったモロッコのような独特の雰囲気が戻ってきます。
ちなみに、モロッコの道路の渡り方ですが、信号がなくても渡ることができます。ベトナムなどの東南アジアも同じと聞きますが、ただまっすぐ前を見て「私はこの道を渡るぞ」感を出して、堂々とゆっくり渡れば、車が減速して道を空けてくれます。
これが便利すぎて、旅行から帰国後しばらく横断歩道がない場所を普通に渡りそうになりました。危ない。
宿の方へ向かうと、首都にきてからまだ半日ほどですが、すでに懐かしいモロッコの雰囲気。小さな建物がたくさんあって、道が入り組んでいて…
宿はどこ?
最高のリアドへ
地図上ではたしかにこの辺りなのに、一向に宿が見つからない。
番地で探そうにも、行きたい宿の番号だけどうしても見つからない。
ウロウロしていると、いつものごとく「何探してるの?」とおじさんが話しかけてきました。適当に「大丈夫〜」と流していたのですが、ダメ元で宿の名前を伝えると、「ついておいで」と案内が始まりました。
ついていきながら、若干おじさんも道に迷っている雰囲気を感じ取りつつ、なんとか到着。
モロッコ最後の宿、Riad Dar Karimaです。
そしておじさん、指をスリスリ。
そうだよね、やっぱモロッコといえばチップだよ、と久々のチップに謎の安心感を覚えつつチップを渡しました。
ちなみに同じ宿に泊まる方向けに念の為、入り口の写真をどうぞ。
そして、ようやく中へ。
なんじゃこりゃ〜素敵すぎる〜
さらに、寝室をご覧ください。
シャンデリアに天蓋付きのベッド〜!?!?
一瞬ラブホテルみを感じつつも、ぐっと飲み込み、ゴージャスさに純粋に感動。
そしてモロッコ恒例、ミントティーでおもてなしされ、ほっと一息。
ドラクエのミミックの実写版みたいな謎の箱と目があって気まずくなりつつも、吹き抜けから青い空を見ながら、美味しいミントティーをいただきました。
その後はしばしゆっくりしたのち、宿主も、雑談した他の宿泊客もおすすめしてくれた、近くの高級モロッコ料理レストランに行きました。
食べても食べても減らないクスクスと格闘し、再びリアドへ帰還(ちなみに2024年8月現在、このレストランを調べると臨時休業と出てきてしまった、悲しい)。
ちなみにこの日の夜、リアドの洗面台で、モロッコ旅行中の洗濯物を片っ端から手洗いして干していったのですが
部屋が全然暖かくないのと、一気に洗いすぎて干す場所が足りないのと、遅寝早起きでそもそも干す時間がなかったのとで、次の日の朝も服がびしょびしょだったため、ONCFの席で乾かす羽目になりました。
最終日に現金が足りなくなるトラブルに見舞われつつも、なんとか無事モロッコ旅行を終えました。
次の日は、ONCFで洗濯物を干しながらカサブランカに移動し、カサブランカから飛行機でマドリードに移動し、そこからチケット売り場をたらい回しにされながらなんとかチケットを購入して高速鉄道でトレドへ向かい、スペイン旅行第二弾が始まるのですが、この辺りの話はまた気が向いたら書こうかと思います。
これにて人生初バックパック旅のまとめは一旦終わりです。読んでくださった方々、感想をくれた方々、皆さんありがとうございました。
note書くのが終わりみたいなテンションですが、全然まだ書きます。
ただ自分でも色々旅行は行きますが、旅費を出してくれるパトロンがいればなぁと常々思っております。いつでも募集中です。
それでは〜