a noisy room diary❆*(11)
①『生霊マッマになる』
この感触は雨なのか?雪なのか?
空から降るなにかの静けさで目覚めた、朝。
雨ならばショパンの調べ?となるのか?…ん〜
今はショパンとは異なるな。これはなにかが流れてゆく静けさの音。いずれ春に向かって流れていく、音。
まだ冬は始まったばかりだけれども、雨たち雪たち
空たち(空たちの表現は変かな。空はひとつだものね)が、春への支度をしている静かに静かに流れていく、音。この感触。
まだ6:00前、もう少しでいつもの一日が始まる。今日も何事もなく無事に過ごせたらいいね。
私は洗顔セットを準備してから、洗面所へと向かった。
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あっと言う間に一日が終わり、
午前0:00、やはり眠れずまたしても睡眠薬を頂きにナースステーションへ向かう私。
私の他にも眠れないゴースト達が蠢いていた。勿論、その中に宇宙交信者1名あり。宇宙交信者ではない私はただのゴーストの1人だ。ペタペタと廊下を歩く私のスリッパ音が響く。←スミセン…。
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ナースステーションにいたナースから1錠の睡眠薬を頂いた。皆が平和にすやすや眠れますようにと祈りを込めて私は眠剤を飲み込んだ。ならば私も宇宙交信者の一員になれるだろうか?夜空に私の聖なる願いよ届け…。睡眠薬よ、効け。
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そして瞬間移動、午前6:00…。
パチリんと電気の明るさで目覚める。眠剤が効いて眠ることが出来たのだ。夢は見ない。20分後にはラジオ体操の放送も流れてくる。私はグッタリと起き上がり、洗顔セットを持ち洗面所へと行き歯磨きを始めた。
私の隣で顔を洗っている70代前半くらいのお姉さまがナースに叱られていた。
「いったいどれだけの水道料金がかかると思っているの。このハンドソープもその通りで、これは洗顔料ではなくて手洗い用よ。お願い、もうやめて!清掃さんもちゃんといるから、もう充分洗ったでしょ、自分の部屋へ戻りなさいっ!!」。
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このナースに叱られているお姉さまは過去清掃さんの仕事をしていたのか…?昔の仕事の癖が抜けず1日中洗面所で仕事をしているのだ(確かにここの水代すごいことになっているだろうな…)。
私は隣りの清掃仕事を頑張っているお姉さまに
「おはようございます」と笑顔で挨拶してから、
さっさと洗顔、歯磨きを終わらせ自分の部屋へと帰った。
(朝早くからあのお姉さまは頑張るね)。
7:00、朝食。熱々の目玉焼きご飯が食べたいけど、生ぬるい野菜のおひたしと煮物(人参、じゅんまい、イモ、玉ねぎ、鳥肉)と、豆腐ワカメ味噌汁。…私はね、熱々の焼きウインナーと目玉焼きご飯食べたいのっ!
つづく