逆から揚力発生原理 4 (循環の正体)
揚力のは翼上下面の気圧差です。気圧差を生むのは流速差です。流速差の原因は翼周りにできる循環です。
では、循環なるものの正体は何でしょう?
循環は、小さな渦を合計したものです。
この小さな渦ができる原因は何なのか。
それは、空気の摩擦です。
空気と翼の表面の間では摩擦力が働きます。
また、空気は、常に空間を埋め尽くしていなければなりません。一歩横にずれたらうっかり真空の場所だった、なんてことはないでしょう?空気は隙間を作りません。
翼に近いところほど、摩擦の影響を受けて流速が落ちるため、周囲の空気が流れ込んできて渦を巻いてしまうのです。
下に図を載せますが、なんだかいまいち分かりづらい場合は、「境界層」で検索してみてください。
このような渦が発生する領域を纏っているのは飛行機の翼だけではありません。流体の中で動くものは全てです。
例えば、電車。
電車のホームには黄色い線が引かれています。ホームに電車が入ってくると、黄色い選の内側までお下がりくださいと言われますが、そんな大げさなと思ったことはないでしょうか?すれすれに立っていても大丈夫だよ、と。でも、電車も渦を纏っています。もう一度図を見ていただいて、渦の方向を確認してください。物体にぶつかる方向に渦を巻いています。つまり、この渦に巻き込まれたら、その気がなくても電車に体当たりすることになるのです。特に、小さな子どもや酔っ払いは要注意です。また、電車の速度が上がるほど摩擦が大きくなって、この渦も大きく強くなります。このため、在来線より新幹線の方が黄色い線の位置が内側になっているのです。
巻き込まれたくなかったら、黄色い線の内側までお下がりください。
さて、長々と続けてきましたが、これで揚力の源まで辿り着きました。揚力の源は空気の摩擦でした。
ここまで書いてきたのは、渦理論と呼ばれるものです。もっと厳密に詳しく知りたいかたは、調べてみてください。
でも、言いたいことのある方は、たくさんいるかと思います。特に物理の方や、ちょっと自分で調べたことのある方。
「ベルヌーイは?」とか、「翼の下面に当たる空気が云々」とか。
その辺を次でやってみようと思います。
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