#6 私が、泣いた
ごはんを食べながら、
MRIの結果を、淡々と相棒に報告した。
「妊活と、筋腫の治療は、真逆なんだよ。」
自分でも何を言ってるのか分からなくなったけど、
でも、まぁ、そういうこと。
妊活のための筋腫治療と
筋腫のための治療。
後者は、子を作らないと決めて進めることになる。
相棒は、
私の身体が一番辛くない方法で、
私が望む方に、と言った。
子どもが欲しいなら、俺、がんばるし!とも。
「無理な妊活はしたくないかな…」
ムリな妊活ってなんだよ⁉と思いつつ。
相棒は、静かにうなずいた。
曖昧に進めたかったんだ
相棒の前で、初めて泣いた。私が。
感動しぃだから、テレビや映画でよく泣くけど、
自分のことで泣いたのは、どのくらいぶりだろう…
だから、逆に自分で自分に驚いた。
なぜ、涙が出てきたのか分からない。
気持ちよりも先に、涙が出て来たって感じ。
先生の“排卵してる”って情報が、余計だった。
「チャンスが…1回、2回あるかなぁ~?」
とも、言ってたな…。
よく考えたら、
筋腫やら、内膜症やらあるので、
なかなか着床が難しいらしい。
けど、ゼロではない可能性が、まだあった。
そんなギリギリのタイミングを知ってしまったのが、
いけなかった。
私は、自分で決めたくなかったんだ。
自分で区切りをつけたくなかったんだ。
言ってることが、かなりアレだけど。
要は、無頓着に、いろんなことを先延ばしてきた
ツケが、これだった。
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