この公園の課題こそ、話し合うべき
インターネットのある記事が気になった。
長野県長野市の青木島にある公園(=青木島遊園地)に対して、
近隣住民から、
「うるさい」「子どもたちが走り回ってほこりが舞い、車が汚れる」等の
苦情があり、
遊園地隣には、児童センターや保育所があり、
子どもたちの格好の遊び場でもあったので、市役所としても、
「断腸の思い」で公園を廃止する判断をしたとある。
記事を読むと、苦情を寄せた住民の家に
子どもがなるべく近づかないよう、
園内に最大8メートル幅の帯状にツツジを植えたり、
出入り口の位置も変更したり、
児童センターの迎えにきた保護者には車のエンジンを止めるよう呼びかけたりとしたが、苦情は収まらなかったとある。
よく利用している児童センターのところに、
苦情を述べている住民らが、
「静かに遊ぶ方法を!!」と求めにきたそうで、
「静かに遊ぶことは無理で、でもこれ以上迷惑をかけるわけには・・・」
と児童センター館長は遊園地で遊ぶことをやめたそうだ。
この児童センターの職員や保護者が遊園地の草刈りなど
をしていたそうだが、使用できないのでそれもやめたそうだ。
その後遊園地の利用者は減り、管理する担い手も見つからず、
市としては、一部の地区の住民に18年間に渡って
負担を強いてしまったことを重く受け止めるとあり、
2022年1月に正式に廃止となったと書かれている。
地元区会長も「やむを得ない」と考えていると述べている。
さぁ、この記事に対して、思うことは
これが日本社会にある深い課題だということである。
毎日大きな声が聞こえ、時には危ないこともあったのでは・・・
と想像すると、苦情を市に訴えたのも分からないでもない。
児童センターの職員や利用している子どもたちのことを思うと、
目の前に遊び場があるのに、利用できないのは辛すぎるし、
144人も利用登録者がいるのに、
室内だけで遊びのは、かなり無理があるし、
逆に危ないだろうなぁ~と感じた。
正解のない問いとは、
まさにこのような問題だと思っている。
その解は、決して1つではないし、
安易に他と比較してはならないし、
様々な視点が求められる。
だから、時間もかかるし、難しいので、
最後は、お互いしっくりこない結論になりがちだ。
まさに、対話である。
苦情を述べた方たちと利用している子どもたちの
本気の対話。
その中で、お互いが見えてくる新たな方法があるのでは
ないだろうかと・・・。
そして、この問題は、
日本の根本的な問題にも通じていると
個人的には思っている。
子どもの声を騒音と捉えるということは
どこに通ずるのかを考えて欲しいと・・・
ちなみに、ドイツでも1990年以降、
保育園建設に対して、反対訴訟が続いた際、
連邦議会で2011年に「子どもの声を騒音対象外にする」と
法改正をしている。
保育施設や公園での子どもの声は、
騒音ではないと判断して、環境騒音から除外している。