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自己閉鎖したい日もある

このところ、一人になる時間が取れないためモヤモヤしている。

えっ、一人暮らしじゃないのか、まさか…。
と推測されたファンの皆様、ご安心ください。
家政婦を雇おうか検討しているシングルおじさんです。

自己愛が強すぎるのか一週間のうち一日は誰とも口をきかず、買い物にも出かけず、家で引きこもっていないと禁断症状が出る。このところ、色々飛び回っていて自分時間を十分に取ることができなかった。

で、まさしく今、禁断症状の「自己閉鎖」モードに突入しているのだ。

自己閉鎖。
自己啓発の正反対の言葉をイメージして何となく命名した。

書店にいくと自己啓発書が、なぜか「哲学」のコーナーの隣に並べられていることがある。「人生哲学」とか「成功の方程式」なる謳い文句に誘われ立ち読みすると「~しなければならない」、「~すべきだ」、「さぁ新しい自分と出会おう」的な言葉が次から次へと押し寄せてくる。

自己閉鎖モードに入っていると、この手の本は表紙を見るだけで辟易してしまう。

そうだな。
チェーホフの「退屈な話」を読むのがちょうどいい。
ドストエフスキーの「地下室の手記」も悪くない。

自己啓発書とは対照的な本を誰にも干渉されずに自宅で読みたい気分なのだ。

しかし、今日も今日とて札幌に来てしまった。
いや、決して可愛い女の子と遊ぶためではなく北海道中小企業診断士協会主催の理論政策更新研修を受講するためだ。

当日になって、マジで行きたくないとイヤイヤ期の姪っ子ちゃんのように駄々をこねても誰もかまってくれないので仕方なくスーツに着替えて出かけた。

理論政策研修とはきっと難しい研修なのだな。
と想像された皆様。

受講料を支払って4時間椅子に座って話を聞けばよいだけなので、イージー研修です。

だけど大講堂いっぱいに人がいる空間にいたくない。
自己閉鎖中の僕にとっては苦行だった。

研修終了後、一刻も早くホテルに避難したいと思ったが修了証の受け取りに長蛇の列が。

仕方なく最後尾の列に並んで自分の受講番号の修了証を受け取ろうとした刹那、僕の後ろから猛スピードで横から割って入り順番無視をした輩が二名。

僕よりも年長者だったけど、「すみません」の一言もない。
他者を押しのけてまで自分を優先しようとする人を見て同じ診断士だけど悲しくなった。

アグレッシブに活動できることは素晴らしいと自己啓発書は謳う。
それでも時に不用意な言動で誰かを傷つけたりしていないだろうか。

どこかで書いたが物事には良い面と悪い面が必ずある。

自己閉鎖中の僕は非社交的でコミュニケーション能力が欠如しているかもしれないが、順番は守って他人に迷惑をかけない。自分を閉じている中で、誰かの迷惑にならなければプラスにもならなければ、マイナスにもならないのでむしろ平和なのかもしれない。

今日の出来事を自己閉鎖状態から抜けた後に、またどのように捉えなおすことができるのかな。

今日も皆様にとって良い一日になりますように。

そうだな、こんな日も言葉を熟成させるんだ。



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竹内康司
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