経済思想の三要素 2012/2024
経済思想の三要素の関係について具体例を用いて説明しなさい。
経済思想の三要素とは以下の3点である。
①目的(規範・理念・価値)
経済のあるべき姿を主張。
②分析(科学)
メカニズムを研究。目的を実現するための手段を考える。
③実践
政策などで(政府が)実践すべきこと。
3要素の関係は次の通り。
(1)目的Eを目指すべきである。
(2)Mは目的Eを実現するための手段である。
(3)(政府は)手段Mを実行すべきである。
(例)
(1)所得格差の縮小を目指すべきである。
(2)最低賃金の引き上げは所得格差縮小の手段である。
(3)最低賃金を引き上げるべきである。
ふと昔の経済思想の講義を思い出したのは、日経新聞の北海道特集にこんな記事を見つけたからだ。
「道内バイト時給、観光地で上昇」(2024/7/27朝刊)
記事によると、北海道内の観光地でアルバイト時給が上昇している。ニセコエリアを抱える俱知安町の2024年の時給は19年比で26%も上昇した。
今後もインバウンド需要が増す中で、観光地のアルバイト時給は一層上昇圧力がかかる可能性があるという。
驚くべきことに僕の住む近くにある「すき家」の時給は1500~1900円で東京港区にある店舗よりも高い水準で働き手を募集している。(ホントの話)
こんな田舎町で高い時給の仕事があるのは羨ましいと思うかもしれないが、そうは問屋が卸さない。以前もどこかで書いたかもしれないが、俱知安町、ニセコ周辺はめちゃめちゃ物価が高い。だからスーパーで買い物するよりもセイコーマートで買い物した方が安い場合さえもある。(ホントの話)
物価上昇に合わせて名目分の賃上げは必要条件だが、果たしてインバウンド需要がいつまで続くのかわからない中、仮に一過性の需要が止んだ場合、容易に賃金を下げられないので人を減らさざるをえない。
そうなると上記の経済思想の三要素は短期的には整合性が取れているが、長期で考えると対処療法的であり別のアプローチを検討した方がよいかもしれない。
教科書的には正しいことも、簡略化され個別の事案は検討していないので現状を冷静に分析して比較検証してほしいというのが今日のメッセージだ。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。
明後日は旭川だ!