読書録「橋をかける」
美智子「橋をかける 子供時代の読書の思い出」(すえもりブックス)
読書は私に、悲しみや喜びにつき、思い巡らす機会を与えてくれました。本の中には、さまざまな悲しみが描かれており、私が、自分以外の人がどれほど深くものを感じ、どれだけ多く傷ついているかを気づかされたのは、本を読むことによってでした。(中略)しかしどのような生にも悲しみはあり、一人一人の子供の涙には、それなりの重さがあります。私が、自分の小さな悲しみの中で、本の中に喜びを見出せたことは恩恵でした。本の中で人生の悲しみを知ることは、自分の人生に幾ばくかの厚みを加え、他者への思いを深めますが、本の中で、過去現在の作家の創作の源となった喜びに触れることは、読む者に生きる喜びを与え、失意の時に生きようとする希望を取り戻させ、再び飛翔する翼をととのえさせます。悲しみの多いこの世を子供が生き続けるためには、悲しみに耐える心が養われると共に、喜びを敏感に感じ取る心、又、喜びに向かって伸びようとする心が養われることが大切だと思います。(p24)
本を読むことの大切さについて説く不朽の名作である。
美智子様は読書を通して「自分の内と外に橋を架け自分の世界を広げる助けとなる」とも仰っていた。
私たちは「虫食いのリンゴ」ではない。
「橋をかける」を読んだ後に昭和30年に美智子様が書かれた記念感想文入選作品「はたちのねがい」を改めて読むと目頭が熱くなる。
暗い未来を予想することは止め、明るい未来の夢を描こう。
現在は過去から未来へと運命の道を流れていく過程の一つではなく、 現在を如何に生きるかによって、さまざまな明日が生れて来る事を信じようと思います。
今日一日が、希望の明日へと繋がっていく。
だから明るい未来を信じて歩き続ける。
汚れた世界に
悲しさは響いてない
どこかに通り過ぎてく
ただそれを待つだけ
体は体で素直になる
涙が止まらない だけど
ここから何処へいっても
世界は夜を乗り越えていく
そしてあいのうたが
心に響きはじめる
YEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」
今日も皆様にとってよい一日でありますように。
そして人生の道しるべとなるような素敵な一冊と出会えますように。