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いつかは、はじめましてじゃなくなる日に

札幌に滞在する時はきまっていつも同じホテルに宿泊している。
会合を終え夜にチェックイン手続きをしようとフロントに顔を出すと

お待ちしておりました。
竹内様、いつもありがとうございます。

とホテリエさんから声がかかる。

朝食会場でも、いつも決まって牛乳を注文しているので
僕が何も言わず席についても

今日は牛乳はいかがなさいますか?

と尋ねてくれる。

すっかり常連さんとしてホテルでは定着されたようだ。

別段悪い気はしないし僕のことを覚えて頂いていることは嬉しく思う。

しかし、以前もお会いしたことのある人とは顔を見合わせても「初めまして対応」だった。

ある意味、それが正解の場合もある。

毎回訪問するからといって常に顔なじみとして認知されたくない日もあるだろう。
そっとしておいてほしい日や一人考え事に集中したい日もあるからだ。

サービス業の難しいところだが、よかれと思ってやったことが客の負担になる場合もある。ゆえに「初めまして対応」はそのような視点で考えると決して間違っているわけではない。

むしろなじみだからフランクでいいだろう、と軽くあしらわれることに違和感を覚えるお客も一定数いるかもしれない。

「初めまして対応」のあの人がいつか僕を常連として認識したとき、僕はすんなり受け止められるように心穏やかな日々を送りたいな。

今日も皆様にとって良い一日になりますように。

今日はどこに行こうかな。

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竹内康司
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