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特命係、インターン生に間違われるの巻

タイトルは「ちびまる子ちゃん」のナレーション風にお読み頂ければ幸いである。

経理部として入社したものの入社早々に匿名係を命じられ、会社の業態と利益構造を理解するために来週まで現場で実地研修をする。支給された作業着とジャンパーを着て朝早くから安全大会に参加。

具体的に何をしているのか書くと早々に身バレするので、あえて触れないものの、一言でいうと社会の縮図のような職場である。安全大会後に簡単な打合せをして今日の作業現場に移動した。

僕以外に4名の作業員の方と一緒に仕事をする。

今日は1日よろしくお願いします。

と挨拶をしたら

学生さん、怪我だけしないようにゆっくりでいいから安全第一で頑張ってな。

と言われた。

どうやら僕を会社見学に来たインターン生だと思っているようだ。

すぐに学生ではなく新たに入社した社員であり新潟から引っ越してきた、と伝えると

あー、それは遠いところからどうも。
雪国同士仲良くするべ。

と温かなお言葉を頂いた。

僕はとりあえず作業場の清掃とゴミ出しを命じられる。
ネコという一輪車にゴミを積んで廃棄場所まで移動する。
最近、運動不足だったので大分足腰に来る(笑)

そんな作業を繰り返すうちに休憩時間になった。
僕は煙草を吸わないので禁煙エリアの休憩所で休む。
現場のリーダーさんから

これ冷蔵庫に沢山余っているから飲んでよ。

と午後の紅茶を頂いた。
やはり雪国の人はやさしい。

微糖だけど紅茶の甘さが沁みる。
僕の目の前には高齢の作業員の方が座っていた。

疲れているのか人見知りなのかわからないが、押し黙っている。
なんか一言話さないと悪いなと思って

今日は雨で冷えますね。
どちらから来られていますか?

と話しかけるとポツリぽつりと返事が。
話をきくと若い頃にコンクリート工事関連の仕事をされていて新潟の小出の高速道路建設にも携わったという。また青函トンネル工事にも5年くらい従事され非常にご苦労されたようだ。

こういう世界では仕事ができるか否かが全てで、無駄口たたくより黙々と与えられた仕事をこなす方が望ましい。だから皆寡黙なのだ。
言葉でなくて自分の仕事の成果物で何かを表明しようとする。

非常にストイックな職人気質の世界に対して僕は孤高な人々だなと思った。
真面目に黙々仕事をするのは悪いことじゃない。
でも不器用すぎるから時に誤解が生まれたりコミュニケーションが少ないから空気を読みすぎる気配がある。

ほんとは皆話したいのではないのかな。
現に目の前の方も僕が色々質問したら快く回答して頂いた。

いい仕事をしてそれに見合った対価を得る。
それだけのために職場にいるのは少し侘しい。
我慢するだけの労働時間でなくて楽しく働ける時間にするためには何が必要か考えるよい経験になった。

今日も皆様にとって良い1日になりますように。
ここにも地上の星々が煌々と輝いていた。

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竹内康司
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