The Last Emperor
最近は、なかなかまとまった時間がとれないので長編映画を見ることがなくなったが、毎週一本は欠かさず映画を見ていた時期があった。
映画を選ぶとき、予告編を見てから面白そうな作品をセレクトする方法もあるが、僕は映画音楽から入る。
図書館やTSUTAYAの映画音楽サウンドトラックコーナーで心地よい音楽の映画サントラを探し、その後に本作を見るという、ちょっと変わった映画の選び方をする。
特に坂本龍一作曲の作品は素晴らしい。
(と書いたが、まだ「怪物」を見れていない。"Aqua"は何度も聴いたが。)
そして"Merry Christmas Mr.Lawrence"は好きすぎて社会人になってからもピアノで弾けるように独学で練習しては断念、また練習を繰り返している。
いつか弾けるようになることを願う。
そんな中、10年前の日記を見返していたら、ちょうどこの時期にベルナルド・ベルトルッチ監督の映画「ラストエンペラー」を鑑賞していた。
清朝最後の皇帝、溥儀の自伝『わが半生』を原作にした200分以上の大スペクタル映画である。メインテーマを坂本龍一が作曲しておりアカデミー賞(作曲賞)を受賞している。
たしか中学校の音楽の教科書に"The Last Emperor"が掲載されていた記憶がある。
さてそんな名作映画の感想として当時、大学生だった僕が好きなシーンについて日記に熱っぽく書かれていた。
清朝第11代皇帝・光緒帝の崩御に伴い、長きに渡って清朝の最高実力者として君臨してきた西太后は溥儀を紫禁城へ呼び出す。瀕死の西太后は、溥儀を皇帝に指名して崩御する。
物々しい様子の宮中で、まだ幼い溥儀は「お城から出たい」と繰り返すばかりであった。しかし、その願いは叶えられず、皇帝として紫禁城にとどまり続けなければならなかった。
ところが、1924年、溥儀を対象としたクーデターである北京政変が起こる。宮中でテニスを楽しんでいた溥儀ら一族は1時間以内の退去を命じられる。
ついに溥儀は紫禁城を離れることとなった。
あれほど「お城の外に出たい」と願っていた溥儀だったが、その願いが叶えられたのは皮肉にもクーデターによるものだった。
僕が好きなのは溥儀が紫禁城から出ていく際にメインテーマがかかるシーンである。数奇な運命をたどる主人公の諦念というかなんとも言えない表情が素晴らしいのである。
気になった方は是非とも鑑賞して頂きたい。
明日も皆様にとってよい一日でありますように。