絵本を建てる
先日、以前記事で触れた三条市の絵の多い本の専門店で、絵本作家の井上奈奈さんのトークイベントがあった。
絵本店の店主が井上さんの絵本の大ファンでトークイベントが開催されることなったという。
当日はトークイベントの後、サイン会もあるため以前購入した「ウラオモテヤマネコ」を持参してワクワクしながら会場に足を運んだ。
「『幸せ過ぎる絵本を読んで育った子どもは大人になるとその本に復讐される』という寺山修司の言葉が心に残っているので、私は幸せな絵本はあまり創りたくないのです。幸せな絵本は他の絵本作家がたくさん描いているので、私じゃなくても良いかなと」
という井上さんの意外な言葉から始まったトークイベント。
建築学科を卒業後に絵本作家になったという一風変わったキャリアをもつ井上さんに
「絵本と建築という一見すると関係がないようなものを繋ぎ合わせる発想はどこから生まれてくるのでしょうか」と質問したところ、
「私にとって絵本を作ることも建物を建てることも同じなので、異なるもの同士と分けて考えていません」との回答を頂いた。
絵本は図書館のような公共建築物で、入口は広く誰に対しても開かれている。
建物のデザインも中に入ってもらった人にどのような空間で過ごしてもらうのかデザインするように絵本もどのページに目を留めてもらうのか構成を考えながら作成するそうだ。
普段なかなかお話をうかがうことのできない著名な絵本作家の井上さんのトークインベントはとても刺激的で楽しいひと時だった。
この記事を読んで井上奈奈さんにご興味を持たれた方は
「星に絵本を繋ぐ」(雷鳥社)を購入して頂ければ幸いである。
今日も皆様にとってよい一日でありますように。
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