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poconen
多面体
わたしはこの先、親のすべてを知ることはないと思う。もちろんきょうだいも友だちもだ。
例えば親の交友関係を知らない。妹が周りの友だちとどういった関係を築いているかを知らない。友だちが私のような人されと仲良くする理由がよくわからない。といったところだ。
気になることは多い。相手のすべてを知りたい。何故わたしに教えてくれないのか。そういって好奇心や野次馬心を持っている自分がいる。どこか寂しさを覚えている自分さえもいる。だが、そこまで知ってしまうとストーカーのようだ、誰しも知られたくない面の一つや二つあるだろう、と思う自分もいる。
当たり前のことだが、わたしも多面体だ。家での自分、学校での自分、ネットでの自分、そしてここでの自分。書き出していると気づいたが、家族や友だちが知り得ないわたしの面が思ったよりある。
わたしが思うのは、これが「わたし」でこれが「わたしではない別のもの」と区別することはできないということだ。お気に入りの面、人前では付けない面、本当は見てほしい面。すべてひっくるめて「わたし」だ。大嫌いな面もある。しかしいくら気に入らなくても、「面」は捨てれないものだ。ならせめて大切にしようと思う。すべて「わたし」なのだから。
機会があったらぜひあなたの面も見てほしい。もしその面を気に入らなくても大切にしてほしい。それが難しいことなら、せめて壊さないでほしい。それも存在する「あなた」なのだから。