ドクトル・ジバゴとロシア
若い時に観た映画は記憶に強く残っているものだが、中でも鮮烈な印象を自分の脳裏に焼き付けたのが、「ドクトル・ジバゴ」である。
監督はデビット・リーン。他にも、「アラビアのロレンス」、「ライアンの娘」などを創り上げた並ぶものなき巨匠である。
物語の舞台は、19世紀末から20世紀初めにかけてのロシア。戦争と革命に見舞われた歴史の激流の中で翻弄されつつも、愛と真実を貫くジバゴとラーラの物語である。壮大な歴史の流れに沿って、20世紀初頭の絢爛な上流社会の暮らし、その中での人間関係、そ