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PFI・DBOとは?

ブレインファームマネジメントコンサルタントの中村正志です。

今回はPFI及びDBOについて解説します。
PFI(Private Finance Initiative)やDBO(Design Build Operate)は、PPP/PFIの中核をなす手法であり、インフラや公共施設の整備・運営を行う際に、設計・建設から運営・維持管理までのあらゆる業務を民間事業者のノウハウを活用し、長期間にわたり一括して民間事業者に委ねる手法です。

従来の公共事業との違い(民間資金等活用事業推進機構)

目次
1.PFIとは何か?
2.DBOとは何か?
3.PFIの効果
4.VFMとは何か?
5.PFIとDBOの違い

1.PFIとは何か?
PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行い、効率的かつ公共サービスの提供を図るという考え方です。
※PFI事業方式として、BTO,BOT,BOO等があります。

2.DBOとは何か?
DBOは、D(Design:設計)+B(Build:建設)+O(Operate:運営・維持管理)という名称から分かるとおり、設計から維持管理まで一括して発注する方式です。PFIに類似した事業方式の一つで、公共が資金調達を負担するため、設計・施工、運営段階における金融機関によるモニタリング機能が働かない(働きづらい)点がPFIと異なります。

3.PFIの効果※DBOも含む
PFI事業を行うことにより、次のような効果が期待されています。

①低廉かつ良質な公共サービスが提供されること
PFI事業では、民間事業者の経営上のノウハウや技術的能力を活用できます。また、事業全体のリスク管理(※)が効率的に行われることや、設計・建設・維持管理・運営の全部又は一部を一体的に扱うことによる事業コストの削減が期待できます。これらにより、コストの削減、質の高い公共サービスの提供が期待されます。
※リスク管理 
事業を進めていく上では、事故、需要の変動、物価や金利の変動等の経済状況の変化、計画の変更、天災等さまざまな予測できない事態により損失等が発生するおそれ(リスク)があります。PFIでは、これらのリスクを最もよく管理できる者がそのリスクを負担します。
②公共サービスの提供における行政の関わり方の改革
従来、国や地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者が行うようになるため、官民の適切な役割分担に基づく新たな官民パートナーシップが形成されていくことが期待されます。
③民間の事業機会を創出することを通じ、経済の活性化に資すること
従来、国や地方公共団体等が行ってきた事業を民間事業者にゆだねることから、民間に対して新たな事業機会をもたらします。また、他の収益事業と組み合わせることによっても、新たな事業機会を生み出すこととなります。PFI事業のための資金調達方法として、プロジェクト・ファイナンス等の新たな手法を取り入れることで、金融環境が整備されるとともに、新しいファイナンス・マーケットの創設につながることも予想されます。このようにして、新規産業を創出し、経済構造改革を推進する効果が期待されます。

参照:内閣府民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)

4.VFMとは何か?
VFMとは、Value For Moneyの略で、公共の財政負担(Money)に対するValue(価値)を表しており、従来型の公共工事として整備・運営する場合と、PFIやDBOを採用して整備・運営する場合を比較し、どれくらい財政負担が軽減されるかという割合、つまり以下の図のとおり、従来の公共事業のLCC(ライフサイクルコスト)とPFIのLCCの比較で示されます。

内閣府民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)

5.PFIとDBOの主な違い
PFIとDBOの大きな違いは前述したとおり、資金調達を公共と民間のどちらかが負担するかです。PFIでは事業費の全部または一部について民間事業者が資金調達を行うのに対し、DBOでは公共が調達することになります。

筆者作成

↓参考文献:「これ一冊ですべてがわかるPPP/PFIの教科書」(中央経済社)。

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