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【読書記録4】ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

旅と読書をこよなく愛するBrain Library七瀬 透です。

東野圭吾「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」

今回紹介するのは、東野圭吾さんの「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」です。
これはミステリー小説ではなく、マジックショーだったと言える1冊。
「ミステリーといえば東野圭吾」と言っても過言ではない作者が描く、新たな形の推理小説。マジックショーのようなあっと驚くトリックの数々を楽しんで欲しい。

はっと驚くトリックの数々を、ぜひご堪能ください

あらすじ

故郷の田舎町で父が殺害された。仕事や結婚準備を抱えたまま、真世は久しぶりに生家へと戻り、長いこと音信不通だった叔父の武史と再会する。
元マジシャンの武史は、警察に頼らず犯人を見つけるという。武史が仕掛ける、華麗なマジックにより徐々に犯人に迫って行く!
教師だった父を殺した犯人は、教え子の中にいるのか?それは、真世の同級生の中にいるのか?!

書感

「まさにマジックショーだった」この一言に尽きる。
新たなミステリー小説の形を見た気がした。

被害者の弟である武史が登場した瞬間から、事実にトリックが加わる。
それは、犯人を炙り出すために仕掛けられたトリックだが、時に事実を混乱させる。

全ての証拠を集めて犯人を炙り出すのが警察なら、マジシャンは犯人の心理を巧みに操るのだ。その様は、まさにマジックショーだ。
時には、読者にさえトリックを仕掛けてくる。
これこそ、たくさんのミステリー小説を生み出し続けてきた、東野圭吾だからできるトリックミステリーである。

また、舞台はコロナ禍の田舎町。観光で細々とやってきた街にとってコロナは大打撃だった。
そんな、リアルに想像できる背景も、この物語の醍醐味であると言える。

ブラック・ショーマン武史のマジックショーを、ぜひ楽しんでみてください!

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