【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z第8弾(鳥取・境港⇒長崎・平戸)
昨年末、「テレ東系旅の日」と題して成田山から竜飛崎まで8日間をかけた「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のスペシャルが2日間計8時間にわたって放映されました。お馴染み元祖バス旅のリーダー太川さんと、今の「バス旅W」のリーダーとされる元メダリストの高木菜那さんが交互にリーダーを務め、過酷な旅をつづける姿は、かつてのボロボロになりながらも先を目指す「バス旅」の原点を見る気がして、大変面白かったです。
さて、noteでお届けしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅を今のダイヤで行ってみたら」の検証はZシリーズの第8弾です。放映は2019年1月、鳥取県の境港から、九州は長崎県平戸を目指しました。マドンナは佐藤藍子さんで、明るく、バス旅が大好きな、そして田中さん、羽田さんを引っ張る元気なマドンナでした。
Z第8弾の実際ルート
結果はあと一歩のところで失敗。佐賀から唐津のそばにある山本へ向かって、何とか伊万里まで行きましたが、そこから先、佐世保、平戸方面へと抜けるバスがなく、無念のリタイアとなりました。毎年、冬の放映回は失敗続きで、今回こそはと思いましたが、残念ながら今回も失敗となりました。
2025年の検証ルート
さて、それでは、現在のダイヤで行ってみたらどうなるでしょう?
ルート的には、出雲市から鹿児島県枕崎を目指した元祖バス旅第9弾と途中までほぼほぼ被っていますし、久留米から佐賀・長崎方面は同じく元祖バス旅第23弾と何となく被りそうな気がします。
1日目は実際ルートと同じく出雲市で足止めです。一行が乗った境港から松江を直接結ぶバスは、現在は午後の1本のみとなっており、ここではまず米子空港へ行って、そこから空港連絡バスで松江駅へと向かいます。また、一行は松江から直接大東へと行くバスに乗っていますが、実はこのバスは2024年10月に廃止されてしまいました。いったん乃木駅へと出てから、代替路線である雲南市民バスに乗車することになります。一行はその後、かもてらすに出て、そこから5㎞歩いて出雲市へと行くバスをつかまえていますが、現在のダイヤでは、大東から三刀屋へと直接行くバスに乗ると、歩きなしで出雲市行のバスに乗車することができます。
ちなみに、松江から出雲空港へ行き、出雲空港から出雲市駅へ行くというルートもありますが、このうち、松江から出雲空港へと行くリムジンバスは、途中、高速道路に乗ってしまうため利用できません(出雲空港から出雲市駅へと向かうバス、また、今回の検証ダイヤで乗車する米子空港から松江駅へと向かうバスは高速には乗りません)。少し大回りになりますが、大東を経由して行く以外にはありません。
2日目も実際ルートと同じく益田まで。この辺りは完全に元祖バス旅第9弾と同じルート取りです。前の検証記事でも書きましたが、浜田からのバスが益田に到着するのが17時01分、そして、益田から津和野温泉へと向かう最終バスは1分前の17時ちょうどに出発してしまいます。このわずか1分を調整さえしてくれればもっと前に進むことができるのですが、被るルートもなくて途中で降りてつかまえることもできず、何とも残念な乗り継ぎとなってしまいます。
3日目も実際と同じようなルート取りとなります。元祖バス旅第9弾の時にはあった秋芳洞から下関方面のバスはなく、一度美祢に出てから向かうのも、Z第8弾と同じです。変わってくるのは九州上陸後。関門トンネルをくぐった後、田中さんたち一行は砂津から守恒を経て、後藤寺へ抜けて、そこから福岡市へと向かう特急バスに乗り、都市高速に入る手前のバス停から別のバスに乗り換えていましたが、今ではその後藤寺へと抜けるバスが廃止され、ぶつ切りになっているため、黒崎から直方へと抜けます。そこから福岡行のJR九州バスが走っていますが、あいにく、最終の博多駅行は18時ちょうどに出てしまっているので、この日は宮若市にある福丸までしか行けません。一行が泊まった福岡市から20km以上も東の地点で打ち止めとなります。福丸から2kmほど歩いた九州道若宮インターチェンジのすぐ近くにホテルルートインがあるので、そこで泊まるということになりそうです。
実際ルートよりもはるか東から始まる4日目ですが、概ね、同じような乗り継ぎで進んでいきます。希声館前の2分乗り継ぎがちょっとドキドキしますが、これに乗り継げないと間に合いません。
田中さんたち一行は、佐賀から北上し、唐津方面から平戸を目指しました。地図を見ると、平戸はたしかに長崎県の北西部にあります。唐津や伊万里方面から松浦半島の北岸を走って平戸へ向かうのが最も近いルート取りと考えたのは妥当なのかも知れませんが、正解は、そのまま西進して武雄、そしていったん少し南西方向(平戸とは逆方向)に進路を変えて嬉野を経由すると佐世保まで抜けるバスがあります。佐世保から平戸への最終バスは19時51分発。21時過ぎという遅い時間になりますが、その日のうちに平戸に着くことができます。県境を越えていくバスをどう聞き出していくかがカギとなるのでしょうが、そこがバス旅の難しさであります。
まとめ
というわけで、3日目こそ、後藤寺へのバスが廃止されていて、福岡市へのルートが変わりましたが、それ以外はほとんど実際に一行が旅したルート取りで進み、最後の佐賀から先、うまく県境を越える佐世保方面のバスさえ探せれば4日間でのゴールが可能であることがわかりました。しかも、徒歩は関門トンネルの人道と、下大利駅からの2㎞くらいで、バス旅では珍しく、ほとんど徒歩がない旅程となりそうです。
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