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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z第8弾(鳥取・境港⇒長崎・平戸)

昨年末、「テレ東系旅の日」と題して成田山から竜飛崎まで8日間をかけた「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のスペシャルが2日間計8時間にわたって放映されました。お馴染み元祖バス旅のリーダー太川さんと、今の「バス旅W」のリーダーとされる元メダリストの高木菜那さんが交互にリーダーを務め、過酷な旅をつづける姿は、かつてのボロボロになりながらも先を目指す「バス旅」の原点を見る気がして、大変面白かったです。

さて、noteでお届けしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅を今のダイヤで行ってみたら」の検証はZシリーズの第8弾です。放映は2019年1月、鳥取県の境港から、九州は長崎県平戸を目指しました。マドンナは佐藤藍子さんで、明るく、バス旅が大好きな、そして田中さん、羽田さんを引っ張る元気なマドンナでした。

Z第8弾の実際ルート

一日目
JR境港駅-(松江境港シャトルバス)-JR松江駅/松江駅-(一畑バス大東線)-大東駅前/JR出雲大東駅-(雲南市民バス加茂南回り線)-かもてらす- (徒歩約5.6km)-伊萓-(谷本ハイヤー出雲三刀屋線)-三刀屋バスセンター-(谷本ハイヤー出雲三刀屋線)-出雲市駅
二日目
JR出雲市駅-(一畑バス小田線)-JR小田駅/小田駅前-(多伎循環バス)-口田儀-(徒歩約0.2km)-越堂-(石見交通波根線)-大田バスセンター-(石見交通大田江津線)-江津駅前-(石見交通周布江津線)-浜田駅前-(石見交通浜田益田線)-益田駅前
三日目
益田駅前-(石見交通津和野線)-津和野駅前-(防長交通東萩駅前~萩BC~吉部~津和野(快速)線)-萩バスセンター-(防長交通秋芳洞~萩BC~東萩駅前(急行)線)-秋芳洞-(あんもないと号秋芳・美東方面コミュニティーバス)-美祢駅-(サンデン交通美祢駅~ゆめタウン~下関線)-御裳川-(関門トンネル人道徒歩約0.8km)-関門トンネル人道口-(西鉄バス北九州74系統)-砂津-(西鉄バス北九州34系統)-守恒-(西鉄バス筑豊田川(快速)小倉線)-西鉄後藤寺営業所-(西鉄バス筑豊特急バイパス直行線)-篠栗北-(徒歩約1km)-篠栗-(西鉄バス筑豊篠栗線31系統)-呉服町大島眼科-(西鉄バス脇山線3系統)-博多駅前
四日目
博多バスターミナル-(西鉄バス板付線41系統)-イオン大野城-(西鉄バス二日市南ヶ丘線21系統)-下大利駅-(徒歩約2.3km)-洗出-(西鉄バス二日市甘木(都市高速)博多駅線400系統)-甘木営業所/希声館前-(甘木観光バス田主丸線)-田主丸中央病院/田主丸中央-(西鉄バス久留米)-西鉄久留米-(西鉄バス佐賀)-佐賀駅バスセンター-(昭和バス唐津・佐賀線)-山本- (昭和バスいまり号一般道区間)-伊万里駅前

結果はあと一歩のところで失敗。佐賀から唐津のそばにある山本へ向かって、何とか伊万里まで行きましたが、そこから先、佐世保、平戸方面へと抜けるバスがなく、無念のリタイアとなりました。毎年、冬の放映回は失敗続きで、今回こそはと思いましたが、残念ながら今回も失敗となりました。

2025年の検証ルート

さて、それでは、現在のダイヤで行ってみたらどうなるでしょう?
ルート的には、出雲市から鹿児島県枕崎を目指した元祖バス旅第9弾と途中までほぼほぼ被っていますし、久留米から佐賀・長崎方面は同じく元祖バス旅第23弾と何となく被りそうな気がします。

1日目
境港駅951→はまるーぷバス・生活コース→1023米子鬼太郎空港1050→松江一畑交通・米子空港松江線→1135松江駅1140→松江市交通局・82-1系統・南循環線内回り→1155乃木駅前1340→雲南市民バス・大東松江乃木線→1424JR出雲大東駅1539→雲南市民バス・吉田大東線→1619三刀屋バスセンター1645→出雲市バス・三刀屋出雲線→1728出雲市駅

1日目は実際ルートと同じく出雲市で足止めです。一行が乗った境港から松江を直接結ぶバスは、現在は午後の1本のみとなっており、ここではまず米子空港へ行って、そこから空港連絡バスで松江駅へと向かいます。また、一行は松江から直接大東へと行くバスに乗っていますが、実はこのバスは2024年10月に廃止されてしまいました。いったん乃木駅へと出てから、代替路線である雲南市民バスに乗車することになります。一行はその後、かもてらすに出て、そこから5㎞歩いて出雲市へと行くバスをつかまえていますが、現在のダイヤでは、大東から三刀屋へと直接行くバスに乗ると、歩きなしで出雲市行のバスに乗車することができます。
ちなみに、松江から出雲空港へ行き、出雲空港から出雲市駅へ行くというルートもありますが、このうち、松江から出雲空港へと行くリムジンバスは、途中、高速道路に乗ってしまうため利用できません(出雲空港から出雲市駅へと向かうバス、また、今回の検証ダイヤで乗車する米子空港から松江駅へと向かうバスは高速には乗りません)。少し大回りになりますが、大東を経由して行く以外にはありません。

2日目
出雲市駅808→一畑バス・小田線→838小田駅前858→出雲市バス・多伎循環バス→914旧田儀小学校/田儀小学校1042→石見交通・波根線→1113大田市立病院1150→石見交通・大田江津線→1318江津駅1338→石見交通・周布江津線→1421浜田駅前1540→石見交通・浜田益田線→1701益田駅前

2日目も実際ルートと同じく益田まで。この辺りは完全に元祖バス旅第9弾と同じルート取りです。前の検証記事でも書きましたが、浜田からのバスが益田に到着するのが17時01分、そして、益田から津和野温泉へと向かう最終バスは1分前の17時ちょうどに出発してしまいます。このわずか1分を調整さえしてくれればもっと前に進むことができるのですが、被るルートもなくて途中で降りてつかまえることもできず、何とも残念な乗り継ぎとなってしまいます。

3日目
益田駅前645→石見交通・津和野線→753津和野温泉803→防長交通→948東萩駅前955→防長交通→1103秋芳洞1143→美祢市・あんもないと号→1209美祢駅1235→サンデン交通・美祢線→1402御裳川→(徒歩・関門トンネル人道)→関門トンネル人道口1458→西鉄バス・74系統→1552砂津1600→西鉄バス・特快→1652西鉄黒崎バスセンター1719→西鉄バス・急行→1809直方/直方駅前1835→JR九州バス・直方線→1909福丸

3日目も実際と同じようなルート取りとなります。元祖バス旅第9弾の時にはあった秋芳洞から下関方面のバスはなく、一度美祢に出てから向かうのも、Z第8弾と同じです。変わってくるのは九州上陸後。関門トンネルをくぐった後、田中さんたち一行は砂津から守恒を経て、後藤寺へ抜けて、そこから福岡市へと向かう特急バスに乗り、都市高速に入る手前のバス停から別のバスに乗り換えていましたが、今ではその後藤寺へと抜けるバスが廃止され、ぶつ切りになっているため、黒崎から直方へと抜けます。そこから福岡行のJR九州バスが走っていますが、あいにく、最終の博多駅行は18時ちょうどに出てしまっているので、この日は宮若市にある福丸までしか行けません。一行が泊まった福岡市から20km以上も東の地点で打ち止めとなります。福丸から2kmほど歩いた九州道若宮インターチェンジのすぐ近くにホテルルートインがあるので、そこで泊まるということになりそうです。

4日目
福丸630→JR九州バス・直方線→752博多駅バスターミナル850→西鉄バス・41系統→928イオン大野城935→西鉄バス・21系統→947下大利駅→(徒歩2.1km・30分)→洗出1030→西鉄バス・400系統→1119希声館前1121→甘木観光バス・田主丸線→1145田主丸駅前1207→西鉄バス・23系統→1252西鉄久留米1308→西鉄バス・40系統→1423佐賀駅バスセンター1445→祐徳バス・武雄線→1603武雄温泉駅前/武雄温泉駅南口1656→JR九州バス・嬉野線→1737嬉野温泉バスセンター1807→西肥バス・A1系統→1915佐世保駅前1951→西肥バス・Q9系統→2123平戸桟橋

実際ルートよりもはるか東から始まる4日目ですが、概ね、同じような乗り継ぎで進んでいきます。希声館前の2分乗り継ぎがちょっとドキドキしますが、これに乗り継げないと間に合いません。
田中さんたち一行は、佐賀から北上し、唐津方面から平戸を目指しました。地図を見ると、平戸はたしかに長崎県の北西部にあります。唐津や伊万里方面から松浦半島の北岸を走って平戸へ向かうのが最も近いルート取りと考えたのは妥当なのかも知れませんが、正解は、そのまま西進して武雄、そしていったん少し南西方向(平戸とは逆方向)に進路を変えて嬉野を経由すると佐世保まで抜けるバスがあります。佐世保から平戸への最終バスは19時51分発。21時過ぎという遅い時間になりますが、その日のうちに平戸に着くことができます。県境を越えていくバスをどう聞き出していくかがカギとなるのでしょうが、そこがバス旅の難しさであります。

まとめ

というわけで、3日目こそ、後藤寺へのバスが廃止されていて、福岡市へのルートが変わりましたが、それ以外はほとんど実際に一行が旅したルート取りで進み、最後の佐賀から先、うまく県境を越える佐世保方面のバスさえ探せれば4日間でのゴールが可能であることがわかりました。しかも、徒歩は関門トンネルの人道と、下大利駅からの2㎞くらいで、バス旅では珍しく、ほとんど徒歩がない旅程となりそうです。

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元祖バス旅第1弾からこれまでの「今でも行けるか、ローカル路線バス乗り継ぎの旅」シリーズの記事をまとめております。どうぞご覧ください。


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