【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅第24弾(山口・錦帯橋⇒京都・天橋立)
シリーズでお送りしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらの検証記事、毎回多くの方にレビューいただいており大変うれしい限りです。
今回は第24弾をお届けします。2016年9月に放映されました。マドンナは熊切あさ美さん。若くておきれいで、蛭子さんも大のお気に入り。2019年のバス旅ラストランで蛭子さんがお気に入りだったマドンナ3名のうちの1人にも選ばれていたくらいでした(他には加藤紀子さんとさとう珠緒さん)。
第24弾の実際ルート
前回第23弾が蛭子さんの出身地・長崎がゴールで、第24弾は太川さんの出身地・天橋立がゴール。今思えば、そろそろ終わりが近づいてきたかなと感じさせるゴール設定でした。
結果は見事に成功。真夏の厳しい暑さの中、峠越えに挑み、執念でゴールを勝ち取りました。
2023年のルート検証
それでは、2023年のダイヤで行ってみたらどうなるか検証してみたいと思います。
実際ルートでもそうであったように、この旅の大きなポイントは、どこで中国山地を越えるか。広島から北上するのか、岡山から北上するのか、それとも姫路から北上するのか。迷った挙句に、太川さんは3日目、岡山から北上して馬桑から黒尾峠を越えて那岐へと抜けていきました。
実際通りのルート
それではまず、太川さんたちが実際に辿った、岡山から北上するルートを検証してみることにしましょう。
1日目は実際ルートと同じように竹原まで。玖波駅での乗り換えが2分しかないのが心配ですが、ここでは乗り継げたものと仮定します。また、阿品台では2時間半近く間が空くので、ともすると歩きたくなりますが、歩いてもバスの繋がりが悪く、ここは2時間半待った方が正解です。
2日目は最終の岡山駅行のバスに間に合わず倉敷泊まりとなります。また、福山から笠岡へ直接行くバスの本数が削減されているため、一度井原を経由して向かいます。
ここまで概ね実際ルート通りに来ましたが、3日目の中国山地越えで壁にぶち当たります。まず、津山へと向かう特急バスが減便されていて長時間の待ちが発生すること。そして、馬桑まで行っていたバスが何と2023年8月1日付で廃止され小坂まで短縮されてしまっています。
さらには、峠を越えた先で、那岐駅前から太川さん一行が乗った「すぎっ子バス」が2023年3月31日限りで廃止されています。
小坂から峠を越えて智頭駅までバスがなく、この距離は何と18㎞。険しい峠越えを18㎞、しかも到着が夜間になるというのはあまりに無謀です。また、鳥取行の最終バスにも到底間に合いませんので、この日は智頭で宿泊。JR因美線と智頭急行の連絡駅ですから、旅館や民宿くらいはあるでしょうが、極めて難しい状況になったことでしょう。
仮に智頭で宿泊した場合の4日目の行程です。鳥取駅から湯村温泉を結んでいたゆめぐりエクスプレスは2021年3月末で廃止されていますが、代わりとなる新温泉町のバスが岩美駅から出ています。ただしこのバスは岩井温泉には停まりません。鳥取駅から岩美駅まで乗車するバスは岩井温泉方面まで行ってしまうので、いかに聞き込みして岩美駅で途中下車できるかがカギとなります。また、実際ルートでは中藤から3kmくらいの岩屋上からバスに乗りましたが、現在、岩屋上からのバスは12時台が最終で到底間に合いません。もう少し山を下りた四辻というバス停まで歩くと最終バスに間に合ってゴールすることができます。
とはいえ、やはり18kmの峠越えというのはあまりにも無理がありすぎます。津山から馬桑を経由するルートは断念した方がいいと思います。
蒜山ルート
18kmの黒尾峠越えを回避するルートを調べていたところ、岡山県北西部の蒜山高原から県境を越えて鳥取県倉吉市の関金温泉までを結ぶバスがあることがわかりました。
蒜山から県境を越えて関金温泉を結ぶバスの最終は15時過ぎ。津山まで行ってそこから西へ進んでも、吉備高原都市から備中高梁を経由して北上しても、どう頑張っても蒜山最終15時のバスには間に合わないので、3日目はルートの途上にある有名温泉地・湯原温泉に泊まることにします。
4日目は乗り継ぎよく、空港連絡バスの恩恵もあって、その日のうちに天橋立に到着することができます。これであれば県境越えは徒歩が不要となり、かなり難易度が下がるのに加え、3日目は有名温泉郷である湯原温泉に宿泊できることも旅番組的にはプラスになるかも知れませんね。
三次ルート
放映時、太川さんは広島のバスセンターで、三次方面へと抜けていくルートもあることを聞いて、三次へ北上するか、西条・竹原方面へ東進するか悩んでいました。結局は三次方面が途中で泊まってしまうので竹原方面を選択しましたが、では、三次方面に進んでいたらどうなったか検証してみましょう。
本当は三次へ行く途中、安芸高田市のあたりまで行くことができるのですが、付近に宿泊地がなさそうであること、翌朝の便で進んでも結果的には一緒であることから、この日は少し早いですが、ホテルの多い広島で宿泊した方がいいでしょう。
歩きもなく1日で日本海側へと抜けることができます。赤名を通るルートはバス旅Z第16弾で通っていましたね。
しかし、最後に乗車する一畑バス・大東線は2024年9月末で廃止する旨が表明されています。運転士不足の問題はバス旅をさらに難しくしていきます。
3日目はちょうどバス旅第8弾の逆ルートとして鳥取駅まで行くことができます。第8弾では米子から松江を直接結ぶバスが廃止されており、米子空港を経由していきます。米子空港、鳥取空港の各空港バスの恩恵をここぞとばかり受けることができます。なお、本当は鳥取からさらに岩井温泉まで行けるのですが、前述のとおり、岩井温泉からは夢つばめに乗れないので、鳥取で宿泊するのがいいでしょう。
朝の夢つばめに乗れることもあり、比較的早い時間に天橋立に着くことができます。
途中、3日目にバス旅第8弾でも歩いた下市から赤碕の8kmの歩きこそありますが、中国山地自体は歩きなし、しかも2日目に日本海側へと抜けることができます。到着時間の速さから考えても、この三次ルートも正解のひとつといっていいでしょう。
姫路ルート
もうひとつ考えられるルートとしては、ギリギリまで東に進んで、姫路のあたりから北上するルートです。姫路を目指してみたらどうなるでしょうか。
京都から広島・宮島を目指した第4弾の逆ルートで進んでいきます。岡山・兵庫県境と赤穂市・相生市境のところで若干の歩きを挟みますが、その後は神姫バスのテリトリー。細かな乗り継ぎをしながらも姫路まで到達することができます。
4日目ですが、考えられるのはJR播但線に沿って北上するルートです。
残念ながら、県境の中藤到着が18時半。そこから8kmを歩いても四辻からの最終バスには間に合いません。
この他、加古川線に沿って向かうルートも見てみましたが、西脇市から先、丹波市へと抜けるバスがないこと、石生駅から先の市島地区はバス空白地帯で20km以上の歩きが求められ、とても辿り着くことはできません。福知山まで出られれば、最終18時発の天橋立行のバスに乗れるのですが、それに間に合うバスは発見できませんでした。
まとめ
放映当時と比べて県境近くへ行くバスが廃止されており、実際ルートでは非現実的な乗り継ぎになりますが、蒜山や三次を抜けることで楽に中国山地を越えるルートもあります。今のダイヤで行くのだとすれば、蒜山経由または三次経由が正解となろうと思います。
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