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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z第7弾(宮城・塩釜→青森・恐山)

東北地方では雪の便りがちらほらと聞こえてくるようになりました。noteのマガジンで連載している「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらどうなるかの検証は、東北地方の太平洋岸を巡ったZ第7弾をお送りします。

放映は2018年9月。暑い盛りの2018年8月にロケをしたと伝えられています。マドンナは秋本奈緒美さん。姉御肌のカッコイイ女優さんです。

ルートは宮城県の塩釜市をスタートし、石巻駅、釜石駅、八戸駅をチェックポイントとして、三陸沿岸を北上し、最後は下北半島にある霊場・恐山を目指すルートです。

Z第7弾の実際ルート

一日目
塩釜駅-(大郷町住民バス利府塩釜線)-物産館-(大郷町住民バス不来内経由松島線)-松島町役場/役場前-(松島町営バス北松島線(中廻り))-上竹谷地内-(徒歩約2.5km)-二子屋(かしまだい地域内交通「三之助わらじ号」鎌巻三ツ屋線)-(徒歩約3.7km)-JR鹿島台駅-(美里町住民バス美里線)-和田田沼(青柳商店前)-(徒歩約3.2km)-涌谷駅前-(涌谷町民バス花勝山線(下り))-三軒屋敷-(徒歩約2.2km)-河南総合支所-(ミヤコーバス河南線)-石巻駅前
二日目
石巻駅前-(ミヤコーバス河南線)-河南総合支所-(徒歩約0.5km)-前谷地駅-(JR東日本気仙沼線BRT)-気仙沼駅/気仙沼駅前-(岩手県交通一関大船渡線)-商人橋-(徒歩約0.4km)-大船渡駅前(岩手県交通碁石線、丸森立根線、細浦経由高田線)-(徒歩約3.1km)-盛駅前(構内)-(岩手県交通崎浜線)-越喜来浦浜-(徒歩約3.5km)-《三陸町》-(宿による送迎)
三日目
(宿による送迎)-《三陸町》-(徒歩約11km)-唐丹駅前-(岩手県交通佐須・小白浜・上平田団地線)-釜石駅前-(岩手県交通釜石船越線)-道の駅やまだ-(岩手県北バスJR山田線振替輸送)-宮古駅前-(岩手県北バス盛岡~宮古・船越線(106急行バス))-盛岡駅前/盛岡駅-(JRバス東北平庭高原線「白樺号」)-久慈駅
四日目
久慈駅-(岩手県北バス久慈大野線)-陸中大野/大野-(南部バス八戸大野線)-八戸中心街ターミナル-(南部バス八戸駅線)-八戸駅前/八戸駅-(十和田観光電鉄十和田市~八戸線)-十和田市中央-(十和田観光電鉄十和田~七戸~野辺地~まかど温泉線)-野辺地駅/野辺地駅前-(下北交通野辺地線)-むつバスターミナル

前半はバスが繋がらなくて歩くことが多く、途中で秋本奈緒美さんが足をくじくくらいの過酷さであったものの、3日目からの怒涛の追い上げでもう一歩というところまで来ましたが、むつに着いた時には恐山行のバスは出た後で、無念のゴール断念となりました。

2024年の検証ルート

それでは、2024年の現行ダイヤでは恐山までたどり着くことができるのでしょうか。なお、恐山へ行くバスは、下北交通のホームページによると、5月1日から10月31日までの季節運行で、夕方に出る最終便(下北駅16時55分発)は9月30日までの運行となっています。今回は当時と同じく、8月にロケをしたとイメージし、この9月30日まで運行する最終便に間に合えばゴールできるものとして検証を進めてみたいと思います。

検証を行う上で注意すべきポイントは、まず、一行が2日目に乗った、盛駅から越喜来浦浜までを結ぶ岩手県交通崎浜線が2020年に廃止されていること、釜石から先、道の駅やまだまでを結ぶ釜石船越線も2019年に区間短縮されていること、さらには、道の駅やまだから一行が乗車したJR山田線代替バスは三陸鉄道への移管・復旧によって同じく廃止になっており、三陸沿岸でのバスの乗り継ぎが相当に苦労しそうなことです。

1日目
塩釜駅820→大郷町住民バス・利府塩釜線→856物産館904→大郷町住民バス・不来内経由松島線→919不来内分館→(徒歩7.0km・1時間45分)→JR鹿島台駅1135→美里町住民バス・美里線→1207和多田沼→(徒歩2.7km・40分)→ヨークベニマル前1247→涌谷町町民バス・花勝山線→1325三軒屋敷→(徒歩2.3km・30分)→河南総合支所1415→ミヤコーバス・河南線→1505石巻駅前(チェックポイント①)1530→ミヤコーバス・河南線→1619河南総合支所→(徒歩500m・10分)→前谷地駅1915→気仙沼線BRT→2135気仙沼駅

一行は物産館に行った後、松島町役場まで一度南の方に下がっていますが、結局その後は細かな歩きが続いて苦しそうな行程でした。目指すべき鹿島台駅や涌谷町は北東方向ですので、松島町役場行のバスが南方向に曲がる手前の不来方分間で降りて鹿島台駅まで一気に歩いてしまいます。そこからは一行と同じように和多田沼から涌谷町へ行って、河南総合支所を経由して石巻駅へと行きます。松島町役場まで行かなくなったこともあって石巻駅到着は15時過ぎ。折り返して、河南総合支所の近くの前谷地駅から出る気仙沼行のBRT最終便に間に合います。

2日目
気仙沼駅734→大船渡線BRT→852大船渡駅/大船渡駅前1325→岩手県交通・大船渡盛岡線→1436遠野駅前1442→岩手県交通・附馬牛線→1448遠野営業所→(徒歩2.0km・30分)→道の駅遠野風の丘1623→岩手県交通・釜石盛岡線→1705釜石駅前(チェックポイント②)1810→岩手県交通・浪板線→1853浪板(浪板海岸宿泊)

一行は、大船渡にある盛駅前から越喜来浦浜までのバスに乗って、そこから長距離を歩いて釜石へ向かう途中、三陸町のあたりで秋本奈緒美さんが足をくじき、宿の車で送迎をしてもらいました。
現在は、その越喜来浦浜までのバスすら廃止されてしまい、盛から、釜石からのバスがやってくる荒川というところまで、何と25㎞にも亘ってバスがありません。さすがにこれを歩くのは困難ですので、大船渡駅を13時過ぎに出る盛岡行の長距離バスに乗ります。このバスは途中、高速道路を通ることなく盛岡までを結ぶ貴重なバスです。ただ、チェックポイントの釜石駅には寄らないといけないので、途中の遠野で降り、同じく盛岡からやってくる釜石盛岡線に乗り換えます。こちらのバスは遠野インターまでは高速道路で来ますが、そこからは下道で釜石へと向かいます。釜石到着は17時過ぎ。そこで泊まってもよいのですが、翌日の行程を考えると浪板まで行ってしまった方がスムーズです。浪板には海岸沿いに建つ「三陸花ホテルはまぎく」がありますので、ここで泊まれるといいですね。

3日目
浪板→(徒歩6.5km・90分)→船越駅前824→岩手県北バス・B46系統→930宮古駅前945→岩手県北バス・106特急バス→1125盛岡駅前1305→JRバス東北・白樺号→1550久慈駅前1600→岩手県北バス・久慈大野線→1650陸中大野

前日に波板に宿泊したこともあり、早い時間の船越駅発のバスに乗ることができ、そこから106特急バスに乗るとスムーズに陸中大野まで行くことができます。

4日目
大野649→南部バス・P8系統→748鍛治町802→八戸市営バス・N60系統→830八戸駅前(チェックポイント③)930→十和田観光電鉄・十和田八戸線→1024十鉄三本木営業所1124→十和田観光電鉄・野辺地線→1248野辺地駅前1419→下北交通・青森線→1540むつ営業所→(徒歩2.0km・30分)→下北駅1655→下北交通・恐山線→1730恐山

実際ルートどおりに陸中大野経由で進む場合、夕方に下北駅に着くためには何としても3日目に大野で宿泊して、早朝のバスに乗る必要があります。実際に一行も大野で宿泊しようとしたのですが、大野にあるほぼ唯一の宿、グリーンヒルおおのが満室で宿泊できず手前の久慈で泊まったことが、結果的に勝敗を分ける形になりました。

もうひとつ、この夕方までに下北に着くルートとして、軽米を経由するルートがあります。大野にはグリーンヒルおおのくらいしか宿がありませんが、軽米には旅館がいくつかあり、宿泊の選択肢が増えます。軽米を経由するルートだと、以下のようなルート取りになります。

3日目
浪板→(徒歩6.5km・90分)→船越駅前824→岩手県北バス・B46系統→930宮古駅前945→岩手県北バス・106特急バス→1125盛岡駅前1305→JRバス東北・白樺号→1529戸呂町口1656→JRバス東北・スワロー号→1750二戸駅前1930→JRバス東北・軽米線→2030軽米
4日目
軽米710→南部バス・P8系統→801平中通810→八戸市営バス・N60系統→830八戸駅前(チェックポイント③)930→十和田観光電鉄・十和田八戸線→1024十鉄三本木営業所1124→十和田観光電鉄・野辺地線→1248野辺地駅前1419→下北交通・青森線→1540むつ営業所→(徒歩2.0km・30分)→下北駅1655→下北交通・恐山線→1730恐山

まとめ

というわけで、3日目にどこで泊まるかが勝敗を分けそうです。いずれも、大きな街(久慈や二戸など)ではなく、宿泊施設が少ない場所(大野や軽米)といった辺りまで進むことがポイントです。
いずれにしろ、三陸海岸の南側はバスが今では繋がらず、長距離バスを途中で乗り換えるという形でないと進むことができません。三陸沿岸は三陸鉄道が全通して鉄道で移動するのは便利になりましたが、路線バス網の縮退は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を難しくさせそうです。

マガジンのご案内

これまでの太川さん・蛭子さんの元祖バス旅からを含む検証をマガジンとしてまとめております。こちらもどうぞご覧ください。

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