【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z第7弾(宮城・塩釜→青森・恐山)
東北地方では雪の便りがちらほらと聞こえてくるようになりました。noteのマガジンで連載している「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらどうなるかの検証は、東北地方の太平洋岸を巡ったZ第7弾をお送りします。
放映は2018年9月。暑い盛りの2018年8月にロケをしたと伝えられています。マドンナは秋本奈緒美さん。姉御肌のカッコイイ女優さんです。
ルートは宮城県の塩釜市をスタートし、石巻駅、釜石駅、八戸駅をチェックポイントとして、三陸沿岸を北上し、最後は下北半島にある霊場・恐山を目指すルートです。
Z第7弾の実際ルート
前半はバスが繋がらなくて歩くことが多く、途中で秋本奈緒美さんが足をくじくくらいの過酷さであったものの、3日目からの怒涛の追い上げでもう一歩というところまで来ましたが、むつに着いた時には恐山行のバスは出た後で、無念のゴール断念となりました。
2024年の検証ルート
それでは、2024年の現行ダイヤでは恐山までたどり着くことができるのでしょうか。なお、恐山へ行くバスは、下北交通のホームページによると、5月1日から10月31日までの季節運行で、夕方に出る最終便(下北駅16時55分発)は9月30日までの運行となっています。今回は当時と同じく、8月にロケをしたとイメージし、この9月30日まで運行する最終便に間に合えばゴールできるものとして検証を進めてみたいと思います。
検証を行う上で注意すべきポイントは、まず、一行が2日目に乗った、盛駅から越喜来浦浜までを結ぶ岩手県交通崎浜線が2020年に廃止されていること、釜石から先、道の駅やまだまでを結ぶ釜石船越線も2019年に区間短縮されていること、さらには、道の駅やまだから一行が乗車したJR山田線代替バスは三陸鉄道への移管・復旧によって同じく廃止になっており、三陸沿岸でのバスの乗り継ぎが相当に苦労しそうなことです。
一行は物産館に行った後、松島町役場まで一度南の方に下がっていますが、結局その後は細かな歩きが続いて苦しそうな行程でした。目指すべき鹿島台駅や涌谷町は北東方向ですので、松島町役場行のバスが南方向に曲がる手前の不来方分間で降りて鹿島台駅まで一気に歩いてしまいます。そこからは一行と同じように和多田沼から涌谷町へ行って、河南総合支所を経由して石巻駅へと行きます。松島町役場まで行かなくなったこともあって石巻駅到着は15時過ぎ。折り返して、河南総合支所の近くの前谷地駅から出る気仙沼行のBRT最終便に間に合います。
一行は、大船渡にある盛駅前から越喜来浦浜までのバスに乗って、そこから長距離を歩いて釜石へ向かう途中、三陸町のあたりで秋本奈緒美さんが足をくじき、宿の車で送迎をしてもらいました。
現在は、その越喜来浦浜までのバスすら廃止されてしまい、盛から、釜石からのバスがやってくる荒川というところまで、何と25㎞にも亘ってバスがありません。さすがにこれを歩くのは困難ですので、大船渡駅を13時過ぎに出る盛岡行の長距離バスに乗ります。このバスは途中、高速道路を通ることなく盛岡までを結ぶ貴重なバスです。ただ、チェックポイントの釜石駅には寄らないといけないので、途中の遠野で降り、同じく盛岡からやってくる釜石盛岡線に乗り換えます。こちらのバスは遠野インターまでは高速道路で来ますが、そこからは下道で釜石へと向かいます。釜石到着は17時過ぎ。そこで泊まってもよいのですが、翌日の行程を考えると浪板まで行ってしまった方がスムーズです。浪板には海岸沿いに建つ「三陸花ホテルはまぎく」がありますので、ここで泊まれるといいですね。
前日に波板に宿泊したこともあり、早い時間の船越駅発のバスに乗ることができ、そこから106特急バスに乗るとスムーズに陸中大野まで行くことができます。
実際ルートどおりに陸中大野経由で進む場合、夕方に下北駅に着くためには何としても3日目に大野で宿泊して、早朝のバスに乗る必要があります。実際に一行も大野で宿泊しようとしたのですが、大野にあるほぼ唯一の宿、グリーンヒルおおのが満室で宿泊できず手前の久慈で泊まったことが、結果的に勝敗を分ける形になりました。
もうひとつ、この夕方までに下北に着くルートとして、軽米を経由するルートがあります。大野にはグリーンヒルおおのくらいしか宿がありませんが、軽米には旅館がいくつかあり、宿泊の選択肢が増えます。軽米を経由するルートだと、以下のようなルート取りになります。
まとめ
というわけで、3日目にどこで泊まるかが勝敗を分けそうです。いずれも、大きな街(久慈や二戸など)ではなく、宿泊施設が少ない場所(大野や軽米)といった辺りまで進むことがポイントです。
いずれにしろ、三陸海岸の南側はバスが今では繋がらず、長距離バスを途中で乗り換えるという形でないと進むことができません。三陸沿岸は三陸鉄道が全通して鉄道で移動するのは便利になりましたが、路線バス網の縮退は「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を難しくさせそうです。
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