【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅第2弾(東京日本橋⇒京都三条大橋)
年明け以降、2度目の緊急事態宣言が出たこともあり、再びステイホームをする中、昔録った『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』を観ては楽しんでいる今日この頃です。地域それぞれのバス会社でカラーリングが異なることも観ていて楽しい理由のひとつです。
さて、12月に、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』第1弾の机上検証を行いましたが、今回は第2弾を採り上げたいと思います。
【前回記事(第1回検証)はこちら↓】
第2弾の実際ルート
第2弾は2008年3月に放映されました。東京・日本橋から、京都・三条大橋、つまりは昔の東海道五十三次を想起させる旅。マドンナは相本久美子さんです。遊行寺を訪れたり、沼津港で寿司を頬張ったり、まだまだ旅番組の延長線上にあるかのようなバス旅ではありましたが、バス旅ファンには伝説となっている「佐藤水産事件」や、リーダー太川さんの喫茶店での爪楊枝事件など、面白い回ではありました。
1日目
日本橋→都営バス・東42甲→東京駅→東急バス・東98→魚籃坂下→都営バス・反96→五反田駅→東急バス・反01→川崎駅→横浜市営バス・7→横浜駅→神奈川中央交通・横43→戸塚駅/戸塚バスセンター→神奈川中央交通・戸81→藤沢橋→(遊行寺を観光・徒歩)→藤沢駅→神奈川中央交通・藤07→茅ヶ崎駅→神奈川中央交通・茅06→平塚駅→神奈川中央交通・平43→国府津駅→箱根登山バス→小田原駅→箱根登山バス→元箱根
2日目
元箱根港→沼津登山東海バス→三島駅→伊豆箱根バス直行便→魚市場入口/沼津港→伊豆箱根バス→沼津駅→富士急静岡バス・根方線→吉原中央駅→富士急静岡バス→富士駅→富士急静岡バス・富47→由比駅上→(タクシー ※薩埵峠に寄り道→興津駅→しずてつジャストライン・三保山の手線・57系統→清水駅→(徒歩)→清水税務署前→しずてつジャストライン・北街道線・217系統→静岡駅/新静岡→しずてつジャストライン・中部国道線・84系統→藤枝駅
3日目
藤枝駅→しずてつジャストライン・藤枝相良線→相良営業所→しずてつジャストライン・相良浜岡線→浜岡営業所→(浜岡砂丘を散策)→浜岡営業所→しずてつジャストライン→横須賀車庫→遠鉄バス・97→浜松駅→遠鉄バス・浜名線→新居町駅→(タクシー ※途中、新居関を見学) →二川駅→豊鉄バス・二川線55→豊橋駅→豊鉄バス・新豊線→東名豊川→JR東海バス→名古屋駅
4日目
名古屋駅→名鉄バス→小牧駅→名鉄バス・岩倉線→岩倉駅→名鉄バス・一宮・川島D線→尾張一宮駅→名鉄バス一宮・川島C線→川島/川島松倉→岐阜バス・岐阜川島線→岐阜駅→岐阜バス・おぶさ墨俣線→墨俣→名阪近鉄バス・岐垣線→大垣駅→名阪近鉄バス・大垣伊吹山線→関ヶ原駅→(タクシー)→醒ヶ井駅→湖国バス・醒ヶ井養鱒場線→米原駅→近江鉄道バス→彦根駅→湖国バス→市立病院→近江鉄道バス→南彦根駅→湖国バス河瀬線→河瀬駅
というわけで、滋賀県の河瀬というところでタイムアップ。失敗に終わりました。ただし、途中、バスが途切れるところでタクシーを何度か利用していること、豊川から名古屋までは高速バスを使っており、いずれも、現在のバス旅ルールからは逸脱しています。
このルート、多くのバス旅ウォッチャーが検証しても、3泊4日で京都を目指すのは無理があるとされており、正解のないルート設定であったと言われています。まだシリーズ当初でもあったので、番組スタッフも、本当に行けるとは思っていなかったのではないかとさえ言われているものです。
2021年のルート検証
結論から言えば、今回の机上検証でも、到底3泊4日では到達できないことがわかりました。なお、実際ルートでは名古屋から岐阜を抜けて米原方面へ、今の東海道本線と同じルートで進んでいっていますが、実際の東海道五十三次は、今の愛知県から三重県を抜けていきます。今回の検証では、できる限り旧東海道に忠実に進めるルートを検証してみたいと思います。
1日目
日本橋730→都営バス・東22→734東京駅丸の内北口/東京駅丸の内南口750→東急バス・東98→815魚籃坂下833→都営バス・品47→841品川駅高輪口/品川駅859→東急バス・品94→949蒲田駅西口/蒲田駅東口1000→京急バス・蒲73→1013六郷橋1035→京急バス・空51→1055川崎駅前/川崎駅西口1109→横浜市営バス・7→1159横浜駅前/横浜駅東口1223→神奈川中央交通・横43→1336戸塚駅東口/戸塚バスセンター1345→神奈川中央交通・戸81→1420藤沢駅北口1452→神奈川中央交通・藤21→1539茅ヶ崎駅1612→神奈川中央交通・茅06→1629平塚駅北口1700→神奈川中央交通・平32→1749二宮駅東口/二宮駅北口1832→神奈川中央交通・二49→1903国府津駅1912→箱根登山バス→1934小田原駅東口1950→箱根登山バス→2050元箱根港
旧東海道は、日本橋から横浜駅前までが今の国道15号線、それ以降は国道1号線がほぼトレースされていますが、国道15号線を忠実にバスが走るのは品川駅近辺からとなります。実際ルートで一行が進んだ五反田駅経由で行くと1時間半くらい早く箱根に到着することができますが、いずれにせよ、元箱根港泊まりとなります。箱根は東海道10番目の関所です。
ちなみに、この箱根で、蛭子さんが出てきたエビを「ちっちゃい」と呟いてしまい、オーナーが激怒して撮影中断の危機を迎えたという伝説の「佐藤水産事件」が起きています。ちなみに、この佐藤水産、今は閉店してしまったようです。
2日目
元箱根港925→東海自動車・N65→1018三島駅南口1025→伊豆箱根バス・沼51→1100沼津駅南口1135→富士急シティバス・東田子の浦駅線→1215東田子の浦駅1230→富士急静岡バス→1251吉原中央駅1305→富士急静岡バス→1325富士駅1335→富士急静岡バス→1356蒲原病院1430→静岡市自主運行バス・由比蒲原病院線→1451由比駅→(徒歩)→新浦安橋1717→しずてつジャストライン→1742清水駅前1758→しずてつジャストライン・北街道→1846静岡駅前1903→しずてつジャストライン・中部国道→2020藤枝駅前
2日目も実際ルートと同じく藤枝泊まりとなります。バスが途切れる薩埵峠は、実際ルートではタクシーで移動していましたが、現在のバス旅ルールではタクシー使用禁止ですので、バス旅Z第1弾と同じように徒歩での移動が必要となります。薩埵峠の道、2度ほど行ったことがありますが、とんでもない坂道です。車で行くとものすごく狭い道で難儀しますが、海の向こうに霞む富士を見ることができ、それはそれで絶景ではあります。宿泊地の藤枝は東海道の22番目の宿場町です。
3日目
藤枝駅南口733→しずてつジャストライン・藤枝相良線→809牧之原警察署前825→しずてつジャストライン・島田静波線→914島田駅前935→しずてつジャストライン・金谷島田病院線→957金谷駅前1055→島田市コミュニティバス・菊川神谷城線→1113菊翠茶農協前→徒歩3.8km・45分→古宮1221→掛川バスサービス・東山線→1241掛川駅前1245→掛川バスサービス・市街地循環南回り→1312中東遠総合医療センター1405→秋葉バスサービス・袋井駅総合医療センター線→1430袋井駅→徒歩5.1km・65分→磐田営業所1541→遠鉄バス・80→1635浜松駅1640→遠鉄バス・10→1714馬郡
できるだけ旧東海道から離れないようにと進んできましたが、藤枝から東海道沿いに進むバス路線は予約制になっており、バス旅ルールでは使用できません。いったん牧之原へ出て、そこから島田へ戻ります。そこから一部徒歩を挟みますが、東海道沿いに進んで、この日は舞阪駅のそばまで進むことができます。周辺にはいくつかホテルもありそうです。舞阪は東海道30番目の宿場町です。
なお、実際ルートの3日目は東海道を大きく離れ、御前崎経由で浜松へと進み、現在はルール上できないタクシーと高速路線バスを使って一気に名古屋まで移動しましたが、現在は仮に御前崎経由で進んでも、途中でかなりの待ち時間が発生し、しかも浜松駅から西へ進むバス路線がかなり短縮、減便されてしまっており、結局は舞阪近辺で打ち止めとなります。
4日目
新居町駅717→こーちゃんバス・白須賀新居鷲津線→759JA白須賀支店→徒歩5.5km・70分→シンフォニアテクノロジー1010→豊鉄バス・二川線→1046豊橋駅前1115→豊鉄バス・豊川線→1148豊川市民病院1313→豊鉄バス・豊川国府線→1328国府駅1534→豊川市コミュニティバス・音羽線→1628名電長沢駅→徒歩10.9km・2時間20分→美合駅1908→名鉄バス・岡崎南市街線→1938東岡崎駅
静岡・愛知県境から愛知県東部は本当にバスの便が悪く、合計で15km以上の歩きを挟んでしまう形になります。夜になって東岡崎駅にやっとの思いで到着する形です。岡崎は東海道38番目の宿場町です。
バス旅は3泊4日でゴールすることが目標ですが、まさかの名古屋にすら到達できない結果となりました。
5日目
東岡崎駅635→名鉄バス・岡崎足助線→717松平橋726→とよたおいでんバス・下山豊田線→753豊田市820→名鉄バス・星ヶ丘豊田線→910赤池駅1010→名鉄バス・日進中央線→1056長久手古戦場駅1129→名鉄バス・本地ヶ原線→1225栄1247→名古屋市営バス・栄22→1327東海通1406→名古屋市営バス・幹神宮1→1434河合小橋→徒歩550m・6分→河合橋1503→飛島公共交通バス・蟹江線→1514飛島村役場→徒歩7.3km・1時間30分→南長島1714→三重交通・53→1732桑名駅前1810→三重交通・21桑名阿下喜線→1842六把野→徒歩1.1km・13分→東員駅1905→三岐鉄道・イオンモール東員線→1925山城駅前2010→三岐鉄道・山之一色線→2057近鉄四日市駅
実際ルートでは名古屋から岐阜を経由して関ヶ原を越えていく東海道本線と並行するルートですが、東海道自体は関ヶ原ではなく三重県の方へと回っていきます。今回はできる限り東海道に沿って進むことを目的としているので東海道沿いに三重県方面へと進むことにします。
ところが、東海道は宮宿から桑名宿へは海上七里と呼ばれる船で渡ってしまいます。これは桑名へのルートが海抜ゼロメートル地帯の低湿地であり、道を通すのが難しかったからですが、現代でもバスで桑名へと進むのは難儀します。過去のバス旅では元祖第12弾やZシリーズ第12弾でこの愛知・三重県境を進みましたが、いずれもかなりの歩きを挟んで難儀していました。今回は飛島村役場から7㎞を歩いて向かいます。到着したのは四日市。東海道43番目の宿場町です。
6日目
近鉄四日市700→三重交通・53四日市平田町線→755庄野橋808→三重交通・30亀山みずほ台線→842亀山駅前910→亀山市コミュニティバス・さわやか号→926西野公園口1101→亀山市コミュニティバス・西部ルート→1115関駅前1232→亀山市コミュニティバス・西部ルート→1255伊勢坂下→徒歩3.9km・50分→熊野神社1454→甲賀市コミュニティバス・土山本線→1506鮎河口1525→甲賀市コミュニティバス・土山本線→1603綾野1618→甲賀市コミュニティバス・三雲駅市役所ルート→1635三雲駅1815→めぐるくん(湖南市)甲西南線→1840甲西駅北口
6日目は四日市から旧東海道沿いを進みますが、途中の三重県・滋賀県境付近はバスが走っていませんので徒歩での連絡となります。旧東海道でいうとちょうど坂下宿(歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」では「阪之下」)と土山宿の間の鈴鹿峠の部分です。そこ以外は歩きなしでこの日は50番目の宿場町水口宿と51番目の宿場町石部宿の中間地点にある甲西駅で打ち止めになります。駅のそばにはビジネスホテルが1軒あるようです。
7日目
甲西駅北口618→めぐるくん(湖南市)医療センター線→650石部駅950→滋賀バス・草津伊勢落線→1023草津駅東口1035→まめバス・草津医大線→1131びわ湖レストタウン1200→帝産湖南交通・レストタウン線→1212瀬田駅前1401→近江鉄道・神領団地線→1424石山駅1530→京阪バス・25A→1633比叡平口1640→京阪バス・56→1717三条京阪
7日目もコミュニティバスでスタート。滋賀県内はなかなかきれいにバスが繋がりません。石部で3時間待ち、瀬田で約2時間待ちなどがありますが、それでも歩きなしで進むことができます。最後は山科方面を抜けていく東海道を離れて比叡山の麓にある比叡平を経由して三条大橋前にある三条京阪バス停に到着します。
まとめ
以上のように、3泊4日では到底到達できず、7日を要することがわかりました。新幹線だとわずかに2時間少々ですが、バスだとこれだけ時間がかかります。ちなみに、江戸時代は徒歩で2週間程度を要したそうです。それでもだいたい1日40㎞のペースですから、昔の人は健脚だったのだろうと思います。私はおそらく2番目の宿場町である川崎宿くらいで音を上げるのではないでしょうか。
なお、実際ルートが進んだ関ヶ原経由で進もうとする場合、同じく7日目に三条京阪に到達できますが、バスがなかなか繋がらず、関ヶ原から合計で28kmの歩きを挟みます。
いずれにしろ、机上で考えるだけでも気が遠くなりそうな旅程ですが、これをぶっつけ本番で、人に聞きながらルートを編み出していく太川さん、蛭子さん、そして現在の田中さん、羽田さんは、やはりすごいなぁ、と心の底から感心します。
(トップ画像は「CraftMAP」様の白地図を使わせていただいております)