思春期の犬①
B-Paws 中沢です。
私の愛犬は2022年6月で3歳になります。
人前に出してはならない危険な犬認定をされた超難関デンジャラスパピーだった愛犬も、もうすぐ3歳。”ふつうの犬”を目指して時間を積み重ね、遺伝子の闇やトラウマ経験を乗り越えてほぼ”ふつうの犬”、なんだったら優しい子に育ちました。
当時は思春期にはどんなことになってしまうのだろうかと不安もありましたが、思春期を迎えるのが楽しみでもありましたし、思春期を超えたと感じたときには「終わってしまった」と残念な気持ちにすらなりました。
思春期の犬はややこしいです。一歩間違えたら問題をこじらせます。けれど、大人になりきる前の大きな成長のラストチャンスなのです。
犬の成長過程には、人で言うところの”思春期”があります。
生後半年~1歳半、長くて2歳くらいまで続くこともあり、小さな犬種では生後4ヵ月頃から思春期に突入することも。
愛犬の行動を問題視してプロの元へ相談に来る飼い主さんが増える時期です。あるいは、年齢を重ねた犬の問題行動のカウンセリングをしていくと、多くの問題行動がこの頃から始まったと判明することも非常に多いのです。
思春期とはどんなものなのか?
私たちの思春期を思い出してみましょう。
思春期は子供からいよいよ大人に近づいていくステージです。体つきも少しずつ変化して、大人に近づいていきます。内面的なものですと、よくわからないけれどイライラして世の中に反抗的だったり、親から何か言われるたびにムカっとして「今やろうとしてたのに!やる気なくなった!」なんて言ってみたり、かと思えば自分の理解者はどこにもいないような気がして寂しくなったり、子供扱いされることが嫌だったり・・・なんてことがあった人は少なくないのではないでしょうか。持て余す感情の波にどうにか抗おうと、とても苦しんだ人もいるのではないでしょうか。
思春期は体の中で様々なホルモンが大暴れしていて、それは本人の意思ではどうすることもできない、衝動と躍動の時期なのです。
犬も、です。
骨格の成長、脳の発達、ホルモンバランスの乱れ、新たな欲求、感受性の高まり。親元でぬくぬく育っていたパピーのすべての細胞が、独り立ちに向けて準備を始めるのです。「生きろ!生き抜くための術を身に着けろ!」とすべての細胞が叫び出すのです。
そうして生じる犬の行動の多くは、私たちの目に問題として捉えられます。
例えば・・・
外へと向けられる意識、世界をもっと知ろうとする行動は「いうことを聞かない犬」と思われるかもしれません。それまで良い子だったパピーが悪い子になってきたと感じるかもしれません。
呼び戻しにも応じにくくなります。
大忙しのホルモンのせいでイライラしやすく、感受性も増していることによって「うちの犬が攻撃的な犬になった」と思われるかもしれません。
あるいは、吠えるようになった、リードをぐいぐい引っ張るようになったなど。
すると、多くの人は「もっとしっかりとしつけなければ!」「トレーニングしなくちゃ!」と思うかもしれません。
しかし、この時期の犬に必要なのは更なるトレーニングではありません。もちろん、犬の行動を罰することでもありません。それらの多くは犬の行動を本当の問題に成長させ、こじらせる可能性があります。
つづく。
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. 🐾B-Paws中沢俊恵,CPDT-KA🐾
Certified Professional Dog-Trainer(国際資格)🐕
JADT認定 A級トレーナー
🐶パピーから問題行動までトレーニング。
📗トレーナー養成スクール校長
👤セミナー/施設監修