中小企業診断士 副読本を読む「経営戦略概論」第6夜
経営戦略論の全体像を把握できる良書として紹介されていた「経営戦略概論」(波頭亮・産業能率大学出版部・2016年)についての読書メモ、第6夜「経営管理から経営戦略へ」です。
◆なぜ経営に「戦略」が求められたの?
・そもそも「戦略」とは、ギリシャの戦争用語「ストラテゴス」に由来。クラセヴィッツの「戦争論」(1832年)では「戦争の全体計画、個別の活動方針、及びそれらに基づいた具体的な行動計画」と定義されている。
・1950年ごろから、管理的(内向き)な経営課題に加え、事業展開(外向き)などの課題、さらに複数事業を平行して経営していくために「経営戦略」の必要性が高まった。
・経営戦略という考え方は、「経営戦略の開祖」とよばれる4人の研究者によって理論化されていった。
◆なぜこの時期だったの?
・第二次世界大戦後、米国は世界中の戦後復興需要のおかげで、好景気に沸いていた。
・都市に人と資金が流入する中で、企業はさらなる成長を追い求めるようになった。
・経営課題も従来の管理的なテーマから「どんな事業に進出すればよいか」という対外的なテーマに移っていた。
◆企業はどんな戦略を使っていたの?
・新しい事業分野への進出の際に「垂直統合」と「多角化」という戦略をとりはじめた。
・「垂直統合」は、石油会社が探査から採掘、精油、流通、販売の全ての分野を一貫して行うこと。
・「多角化」は、自動車会社が自動車ローンなどの金融商品を扱ったり、製鉄会社が橋や線路の建設を行うこと。
→メーカーが金融業や、建設業、小売業など関連のない事業を束ねていくケース(コングロマリット)も出てきた。
次回は「チャンドラーの経営戦略」についての読書メモをご紹介いたします。
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