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中小企業診断士 副読本を読む「経営戦略概論」第10夜

経営戦略論の全体像を把握できる良書として紹介されていた「経営戦略概論」(波頭亮・産業能率大学出版部・2016年)についての読書メモ。第10夜は、サイモンの「限定された合理性」です。

◆何をした人なの?
・ハーバード・サイモン(1916~2001)は米国の経済学者。1978年にノーベル経済学賞を受賞した。
・組織の活動で最も重要なのは「意思決定のプロセス」であることを実証した。
・企業の戦略策定にかかわる現実的な「意思決定プロセス」の仕組みを明らかにした。

◆「限定された合理性」って何なの?
・サイモンは、旧来の経済学で考えられていた「完全情報をもとに合理的に行動する人」は存在せず、意思決定は限定的な情報で行われるもの(満足化原理)と考えた。
・この原理を前提に、意思決定は①情報活動(現実と目標のギャップを埋めるための情報を集める)②設計活動(集めた情報から代替案を列挙する)③選択活動(代替案を選ぶ)④検討活動(選択した案で経営目標が達成されるか確認する)を繰り返すことだと主張した。
・このプロセスを前提に階層化された組織こそ「合理的な組織運営を行うことが可能な体制」だとした。

◆この研究の影響は?
・組織の設計や意思決定プロセスを「システム」として扱う近代的組織論の発展に貢献した。
・あらゆる人工物を「システム」として捉え、メカニズムと設計方法を明らかにしていく考え方は、経済学、コンピュータ科学、認知科学などの分野にも影響を与えた。

次回は、「ポーターの競争戦略」についての読書メモをご紹介します。


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