中小企業診断士 副読本を読む「経営戦略概論」第9夜
経営戦略論の全体像を把握できる良書として紹介されていた「経営戦略概論」(波頭亮・産業能率大学出版部・2016年)についての読書メモ。第9夜はぺンローズの「資源配分の最適化」です。
◆何をした人なの?
・エディス・ペンローズ(1914~1996)は、ロサンゼルス出身の経済学者。
・経済学の「資源配分の最適化」という理論を使って、企業の経営資源に焦点を当てた経営戦略論を考えた。
・経営資源の中で最も価値があるのは「人的資源」とし、未利用な人的資源を活用することが、企業成長に必要だと考えた。
◆なぜそう考えたの?
・好調な米国経済の中で、成長企業の仕組みと法則が解明できていないと感じ、企業活動の分析を行うようになった。
・経済学の「規模の経済」という理論では、企業には「成長の天井」があると考えられていたが、実際の企業は複数事業に参入することで克服していた。
・経済学が考える企業の「最適な規模」は、単一市場では成立しても企業家精神に富んだ当時の企業には当てはまらなくなっていた。
◆「資源配分の最適化」って何?
・ペンローズは、企業内にある常に完全には利用できていない経営資源に着目した。
・経営者は未利用な資源を、有効に配分・活用する方法を考えることで、更なる企業成長ができると考えた。
・特に「人的資源」は、知識や経験の蓄積による成長で単一価値を増やすことで、生産性の向上につながるととした。
次回は、サイモンの「限定された合理性」についての読書メモをご紹介します。
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