ないすぅ~な「新インナーゲーム」
北京五輪のカーリング女子の活躍を見ていると、無性にティモシーガルウェイさんの「新インナーゲーム」(2000年、日刊スポーツPRESS)を読みたくなりました。この本は「コーチング」の勉強を始めると早晩出会うことになる本でもあります。その読書メモを共有します。
◇「インナーゲーム」理論って何?
・1972年に米国で発表されたスポーツ心理学の一つの考え方。
・選手が本来持っている「内側の能力(インナースキル)」を開発し、自由に「外側のゲーム」に適用させるための方法論。
・この本では「セルフ1(自我)」「セルフ2(自分自身の肉体と能力の実態)」という概念を紹介し、二者の適正な関係性を作り上げるための方法を説いた。
◇なぜインナースキルが大切だと思うの?
・当時の米国テニス界は目先の技術を優先しすぎて、反省過剰で自信を失った選手が増えていた。
・指導者も「知識の量」でこれに対応しようとしていたために、選手と指導者とも「苦痛」な状況が加速していた。
・選手たちは心配が多すぎてプレーに集中できずにいたので、テニスを難しくさせている心理的要素を改善する必要があった。
◇インナースキルの習得方法は?
・「セルフ1」の口数が少ないほどショットが良くなり、「セルフ2」を信頼するほど「セルフ1」の口数が自然に減ることに着目する。
・その上で(1)自分を評価して裁判にかける癖から抜け出す技術(2)「セルフ2」に自然発生的に打たせる技術(3)生まれつき備わっている自然に学習する能力を認め信頼する技術を実践し、(4)「リラックスした集中」を体験する練習も行う。
・すると選手は集中するためにテニスをするようになり、「外側のゲーム」に偏りすぎた価値観から抜け出し、「競争」の概念自体も変化していく。