中小企業診断士 副読本を読む「経営戦略概論」第7夜
経営戦略論の全体像を把握できる良書として紹介されていた「経営戦略概論」(波頭亮・産業能率大学出版部・2016年)についての読書メモ、第7夜「チャンドラーの経営戦略」です。
◆チャンドラーは何をしたの?
・アルフレッド・チャンドラーは米国の経営史学者で、1962年に「組織は戦略に従う(原題・戦略と構造)」を書いた。
・アメリカの約70社の大企業の歴史、特に戦略と組織形態の関連性を分析した。
・事業を「多角化」させる場合、「事業部制が有効」だと指摘した。
◆なぜそう考えたの?
・当時の企業は、工場でものを作って、製品を営業が販売するという「機能別」の発想しかなかった。
・経営史を調べる中で、企業が多角化する場合、中央集権的な機能別組織ではコントロールできないことがわかった。
・事業部制を導入した企業は、次々に組織の合理化や業績の回復に成功していた。
◆事業部制の具体例は?
・デュポンは第一次大戦後、主力商品の火薬などの売上が減り、プラスティックや塗料、染料などの事業に進出。中央集権組織では企業全体を統制できなくなった。
・GMはT型フォードで圧倒的シェアを獲得し複数の自動車会社を買収したが、会社同士の統制が取れなくなった。
・デュポンは製品を軸に事業部を編成し、本社から権限移譲を行い合理化を図った。GMは製品と国別に事業部を編成し、統制をとりもどした。
次回は、アンゾフの「シナジー」と「成長マトリクス」です。
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