未亡人日記59●サン・レミに置いてきたもの
「後期印象派のゴッホの足跡を訪ねる旅」に結果としてなったのは、アルルを訪ねたからである。私はビゼーが好きで、ビゼーと言えば「アルルの女」である。ファランドールやメヌエット。ファランドールは、大学生の時、退官前最後の授業で教授(フランス人)が、フランス語の歌詞で歌ったことをいつも思い出す。あれって歌詞があるんだ? とその時思った驚きと共に。フルートの出だしで有名なメヌエットの方は、でも実は本来「アルルの女」の中の曲ではない、という知識をフランスに行く前に得ていた。だからどうだ