生命と機械(AIを含む)の違い
生命と機械(AIを含む)の違い
(タイトル画は、生命のダイナミズムを表現した動画のひとコマ)
「生物と無生物のあいだ」のプロローグの関連部分要約
(著者 福岡伸一先生)
1953年ワトソンとクリックが論文(僅か千語)で発表した。生命とは、「自己複製を行うシステムである。」が二十世紀生命科学のひとつの回答である。
(ワトソンとクリックはDNAの二重らせん構造を発見した人)
DNA構造が解明され、DNA自体をいわば極小の外科手術によって切り貼りして情報を書き換える方法、つまり遺伝子操作技術が誕生し分子生物学の黄金期が到来した。
分子生物学的な生命観に立つと、生命体とはミクロなパーツからなる精巧なプラモデル、即ち分子機械に過ぎない。生命体が機械であるならば、作り変え”改良”する事も可能だろう。
以上のような考えのもと、遺伝子の一部を改変した動物 ”ノックアウトマウス” を造り受精卵を仮母の子宮に入れ子供を産ませ、精密に検査、観察したが正常な子供であり何の異常も観察されなかった。他にも様々な研究がなされたと思うが異常があったと言う報告もない。
つまり遺伝子ノックアウト技術によって、パーツを一種類、ピースを一つ完全に取り除いても、何らかの方法でその欠陥が埋められ、バックアップが働き全体が組み上がってみると、何ら機能不全がない。
生命体にはパーツが貼り合わされて造られるプラモデルのようなアナロジーでは説明不可能な重要な特性が存在している。ここには何か別のダイナミズムが存在している。生物と無生物を分けるのはこのダイナミズムを内在しているか、いないかではなかろうか。
私の解説
AIは機械であり、例えばパソコンは中央演算装置(CPU)、記憶装置(SSD、HDD、USB等)、電源装置、マザーボード(回路)、ディスプレイ、プリンター等のパーツに分かれていて、取り替え、修理、組み替え、可能である。
生命体はそれはできないが、一部に欠損が生じても他の要素、方法でカバーされたりする。
しかし、ストレス等により細胞が壊れ修復が間に合わない規模(癌)になったら、全体の死に至る可能性もある。生命体はダイナミックな統一体として機能している。 終わり
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上は、動的平衡のアニメーションです。枠内クリックで開きます
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