【2025年受験】田園調布学園の併願戦略について

 学習相談では併願パターンのご相談を受けることが多いので、自由が丘近郊で推している学校については、予め記事を書いておこうと思います。あくまで、私が持ち合わせている経験と情報を基にした考えなので、参考程度にお考え下さい。また、5月の段階で書いているので、今年の募集要項が発表されたり、後期に志望者数の動向がわかってきたときは、多少考え方を改める必要があるかもしれません。ただ、それを待っていると学校見学のタイミングを失ったりしますので、この時期に書かせていただいています。その前提をもとにして、お読みください。


 さて、最初に扱うのは田園調布学園です。

自由が丘駅の隣にある田園調布駅にある女子校です。奥沢駅からも歩けない距離ではないので、気合を入れれば自由が丘駅からも歩けます。そんなご近所なので、最初の学校に選びました。
 なお、今回の考察は、田園調布学園の合格者数が一番多い日能研の偏差値を参考にして行います。

〇基本的な考え方

 田園調布学園を受験する場合、基本的には1日2日4日の午前3日間は通して受験します。

1日/午前:田園調布学園
2日/午前:田園調布学園
3日/午前:
4日/午前:田園調布学園

複数回受験者はボーダーライン上で優遇されるようなので、第一志望の子は最後まで諦めてはなりません。また、主観的にしか採点できないと思われる記述問題が出題されることもあるので、そういった問題を採点するときに、学校側はしっかりと生徒情報を見ている気がしています。それは定かな話ではありませんが、ただ第一志望であれば、やはり通して受験しなければなりません。

〇併願校について

[実践女子学園]

 昨年の受験までは、実践女子学園をおさえ校にできました。

しかし、今年は問題の難易度も若干上げてきており、おさえ校として考えるのは難しかったです。日能研の結果でも、1日午後は偏差値51になっているので、もう来年は無理でしょう。田園調布学園がチャレンジになる層は、午前の日程で、田園調布学園と実践女子学園を比較検討する必要があると考えます。田園調布学園にチャレンジできるレベルであれば、まだ実践女子学園の午前中は合格しやすいはずです。仮に間違いが起こったとしても、実践女子は、3日と4日の受験には、大きな複数回受験の優遇措置があるので、そこまで間違いが起こり続ける可能性は低いです。まだ、今年の入試要項が発表されていませんので、変更があれば話は変わりますが。

 逆に言えば、実践女子も第一志望にしなければ中位層には難しい受験になる学校になっています。以下のように通す受験ができないわけではありません。

1日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
2日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
3日/午前:      /午後:実践女子学園
4日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園

 ただし、こういう受験パターンは、3日の時点で合格が一つもないケースがあります。そうすると、3日午前の受験校が難しいですし、精神的に苦しい戦いが強いられると考えます。できない受験ではありませんが、リスクはあります。2日午前が空いている学校であれば、2日午前に受験を持ってくるパターンで攻める可能性もあります。その点、田園調布学園と実践女子学園は相性が悪いです。
 また、SAPIXの動向も重要で、今年のSAPIXの偏差値表を見ると、実践女子学園の午後入試が偏差値40台に突入していました。どのレベルのSAPIX生が、どこまで実践女子学園の午後入試に流れてくるかでも、考え方を変えなければならないかもしれません。
 田園調布学園と実践女子学園は、どちらが良いかと聞かれれば、甲乙付けがたいと考えています。どちらの学校も、通っている子達は楽しそうにしています。もし、2校の校風への評価に差がないのであれば、合格のことだけを考えると実践女子学園を選択する方が賢明かもしれません。日能研の偏差値48~50あたりの子は、そういう選択が求められます。

[玉川聖学院]

 実践女子学園をおさえ校にできないと考えれば、近所の女子校で選択肢に入るのが玉川聖学院です。

自由が丘駅の徒歩圏内にある学校なので、入試のときの田園調布学園からの移動もしやすいです。ただ、プロテスタントの学校ですので、田園調布学園とは校風が違うと思います。また、進路指導も指定校推薦を中心に推薦で進学させる指導に力を入れている学校と聞いているので、難関大学への進学を考えると、田園調布学園と比較して物足りなさを感じるかもしれません。
 ただ、1日午後に玉川聖学院でおさえること良しとできれば、2日以降に攻める日程を組むこともできます。

1日/午前:田園調布学園/午後:玉川聖学院
2日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
3日/午前:      /午後:実践女子学園
4日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園

まだ3日午前も使えるので、玉川聖学院で合格を取っていれば、多少攻めることも可能です。ただ、日程的に厳しいものになるので、体力の問題が出てきます。理想を言えば、田園調布学園が4日まで流れるにしても、3日は休みにしたいというところなので、2日午後で実践女子学園が取れなかった場合、3日午前を休んで実践女子学園の残り2回に賭けながら、4日田園調布学園に向かう感じになると思います。
 玉川聖学院のところの代替案としては、少し遠いですが、東横線沿線で上げれば捜真女学校と神奈川学園は挙げられます。偏差値50に近ければ、その2校までは外さないおさえ校になると思います。

 逆に、この3校で止められなければ、田園調布学園を受けに行ってはなりません。

[東京女学館]

もう一つ挙げておくとすれば、東京女学館です。

最寄り駅の判定は難しいのですが、「渋谷駅」と言えば同じ東横線沿線なので、近所の候補としてあげます。東京女学館を挙げる理由は、2日午後と3日午前に入試日程があるからです。香蘭女学校や山脇学園や普連土学園とは、2日午後の日程でバッティングしているので、お薦めしづらいのですが、田園調布学園や品川女子学院のような1日2日4日の午前日程の学校は、3日午前を差し込めるので検討して良いと考えています。日程としては、

1日/午前:田園調布学園/午後:玉川聖学院
2日/午前:田園調布学園/午後:東京女学館
3日/午前:東京女学館 /午後:
4日/午前:田園調布学園/午後:

というような形になります。ここでは、実践女子学園と東京女学館を天秤に掛けるような形です。東京女学館は複数回受験の優遇があるかどうかは把握していませんが、おそらくあるのではないかと踏んでいます。その可能性がある以上、1日午後をおさえた後は、東京女学館で筋を通すことをお勧めします。そこで合格していれば、3日は休んで4日の田園調布学園に備え、3日午前に流れ込んでも、午後は空けて田園調布学園に備えることができます。

まとめ

 今回の考察は、あくまで自由が丘近辺、東急沿線に住んでいる方を対象にしたものです。また、女子校のみに言及しているのは、田園調布学園志望の方の多くが女子校志望で、共学校との併願をあまり聞いたことがないからです。所変わって、考え方も変われば、また違う併願パターンも考えられます。そういうケースに関しては、気軽に学習相談にお越しください。


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