【2024年度中学受験】全ての模試を受け終えての雑感

 2023年の12/23の日能研の合格力判定テストを最後に、2024年受験の子達の合格判定模擬が全部終わりました。本当は、昨年度中に分析記事を書きたかったのですが、忙しくなり書けておりませんでした。そこで、今回の記事では、2024年度指導で抱いた模試に対する雑感を記事にまとめたいと思います。
 これまでの記事は、マガジンに収録されております。

 中学受験の模試は、SAPIX・日能研・四谷大塚・首都圏模試センターの4社のものが主流だと思います。それぞれに特徴があり、ターゲット層が異なると考えております。基本的な考え方は、以前の記事にまとめています。

 今回は、その模試の信頼度について、私たちの教室のデータから見えてくる独断と偏見によって述べさせていただきます。

〇サピックスオープン

 あくまで私たちの教室のデータで申し上げれば、一番信頼度の高い模試はサピックスオープンです。判定結果と過去問の手応えが一致します。個人で行ってもらっている過去問の結果とサピックスオープンの判定結果の関係性は、他社の模試の結果よりも納得感があります。
 偏差値40前後で戦えるのであれば、サピックスオープンを受験した方が良いです。偏差値30台にもなろうものなら、不安になることもあるかもしれませんが、そこはSAPIXの母集団ですので、偏差値40にチャレンジできるレベル感であれば、積極的にサピックスオープンを受け、前向きに結果を受け止めた方が良いと思います。

〇合判模試

 次に信頼しているのは、合判模試です。厳密に言うと、他三社の模試では判定しづらい難易度の学校の判定を出すためには、合判模試を受けざるを得ないという意味でもありますが…
 日能研・四谷大塚の偏差値45程度から下の学校に関しては、合判模試以外の三社の模試では判定が出せないと考えています。これまでの子の受験結果や過去問の結果を見ると、三社の模試に対応できないくても、その偏差値層にある学校の入試問題には対応できます。ゆえに、その層の学校の判定を出すためには合判模試を重宝する次第です。

〇合不合判定テスト

 四谷大塚の模試については、相性が出る印象です。私たちの教室のデータでは、授業で感じる手応えや過去問の結果と二つの模試の結果の序列が一致しません。どちらが正しいのかという判断は難しいのですが、ここでは「一致しない」という事実が大切だと考えています。だから、「二つの模試の精度が悪い」という話ではなく、「他塾生にとっては、実力を測るのは難しい」という話だと思っています。模試主催会社のカリキュラムに沿って勉強した子の方が有利なつくりなのかもしれません。サピックスオープンも同様の傾向はあると思いますが、過去問の結果と照らし合わせたとき妥当だと感じることが多いです。
 特に今年は、合不合判定テストと教室の子が全くと言ってもいいほどハマりませんでした。テキストが改訂された影響で、ミドル層にはオーバーワークにる危険性があるので、『予習シリーズ』での指導を断念したという影響があるのだと思いますが、模試の結果と過去問の結果が合わなかったです。
 とはいえ、「じゃあ、受験しない」と言い切ってしまうのも難しいです。それは学校受験の経験値を得られるメリットがあるからです。特に、合不合判定テストは学校会場が豊富で、本番前に志望校を会場にした試験を経験できる可能性が高いです。その経験値は捨てがたいです。

〇合格力判定テスト

 日能研の合格力判定テストについても、合不合判定テストと同じで、相性によって結果が大きく異なります。カリキュラム的に日能研生優位であることは間違いなさそうです。四谷大塚の模試と比較すると外部会場の選択幅も狭いので、経験値という観点では、合不合判定テストの方が優位にあります。そのため、日能研生専用という印象が否めず、他社の模試と比較すると、外部生にはメリットの少ない模試のように感じています。

まとめ

 結論を出すのが難しいところなので、非模試主催塾にお通いの方を対象とする限定的な意見として申し上げますと、非模試主催塾に通塾中の子は、「合判模試」「サピックスオープン(実力次第)」「過去問」の三つを軸に過ごすことが一番好ましいのではないかと考えております。
 合不合判定テストと合格力判定テストは、やはり主催会社のカリキュラムに沿って勉強している子の方が有利で、それに沿っていない子は相性次第の博打になってしまう印象が否めません。上手くハマっていれば、穏やかに過せると思いますが、ハマっていないと精神的に辛くなるかもしれません。他塾生は、相性が悪く模試にハマっていなかったとしても、冷静に過せれば、模試で厳しい結果が出た学校に合格する可能性があります。

 私たちの教室では、模試の結果の分析も含めて総合的にサポートさせていただいております。そのような指導に興味がございましたら、ぜひ学習相談にお越しください。


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