【2024年受験】10月の合不合判定テストと合格力判定テストについて

 今年の合不合判定テスト(四谷大塚)と合格力判定テスト(日能研)は、日程が重なっているところがあります。昨年まではズレているところが多かったので二つとも受験することができたのですが、今年は難しくなっております。そこで、どちらを受験するかは、各御家庭に委ねておりました。基本的には、受験する可能性の高い学校が会場校になっている方を受験するようにとお話ししています。これまでの模試の結果から考えても、どちらの模試の方が価値が高いというのは、それほどはっきりとあるわけではなさそうでしたので。

 そんな今年の10月模試ですが、いくつかの御家庭が両方とも受けるチャレンジをしてくださいました。そこで、そこから見えてきたことを少々まとめたいと思います。

 両方受ける方法は、二通りです。一つは同じ日の午前午後に受験するもの、もう一つは日曜日と翌祝日の2日連続で受験するものです。データ数が多いわけではないので、絶対的な傾向であると言えるものではないのですが、少なからず注意を払った方が良いことをまとめていきます。

考察

1.午前午後の受験は、体力の消耗が大きい
 当たり前のことですが、改めて感じるところです。模試の午前午後のダブル受験は、本番よりもタイトなスケジュールになるので本番以上に影響を受けるのでしょうが、それでも本番でのその影響を過小評価をしてはならないと考えます。今回チャレンジしてくれた子は、午後の模試で「算数で眠くなった」と言っています。結果も、その影響を大きく受けています。やはり、午前に集中して4教科を取り組むと大きく体力を奪われるようです。午後は、同じ条件では戦えないようです。

2.2日連続の受験も、モチベーションを維持するのが難しい
 こちらは意外でした。午前午後のようなタイトなスケジュールではないので、体力的な問題は無いと考えていたのですが、実際はそんなことは無いようです。やはり、2日目の算数は集中しきれなかったようです。
 算数が苦手な子はそれほど影響を受けないようなのですが、得意な子は大きくコケておりました。本人が言うには、算数で集中しきれなかったようです。非常に興味深いのは、日曜日に受けた方の模試では偏差値60を超えたのに、月曜日に受けた模試では偏差値50を下回ったことです。そちらの模試の9月の結果は偏差値55を超えていただけに、驚くほどの落差です。
 おそらく、日曜日の一戦目に向かって気持ちを作っていたのだと思います。結果も良かったですし、そこに照準を絞って精神力を使ったのではないでしょうか。しかし、そこまで気を張ると、その精神力は翌日までは持たないようです。

まとめ

 以上の結果から、1日の午前午後は両方とも全力を尽くさなければならない受験は避けた方が良いと考えます。どここから2月まで午前午後を受験する体力を育てていくわけですが、それでも子供の体力を過大評価しすぎない方が良いです。受験しないというのも作戦だと思いますが、午後入試で合格をもらうと精神的に楽になるメリットもあるので、それくらいの収穫にとどめ、欲を出さずに戦略的になるべきだと考えます。
 ただ、いくつかの学校では考え方が変わります。たとえば、東京農業大学第一のように午後入試から始まる学校です。

午後受験が第一志望になると、迂闊には午前中を捨てられません。
 そういう学校は、非常に悩ましいです。また、複数回受験優遇が明確になっている学校です。去年の私たちの教室では、カリタス女子と実践女子学園にいただけた御縁は、そのパターンでした。

 第一志望にまで到達させてあげられなかったのは心苦しいところですが、第二志望だったカリタスと実践女子に関しては、複数回受験のメリットを生かすべく併願スケジュールを組みました。そういう学校は、多少のリスクを背負ってでも、午後を攻める必要もあります。

 ただ、基本的には「1日の午後は攻めない」を鉄の掟とした方が良いでしょう。私自身も理屈ではわかっていたつもりでしたが、正直に告白するとその負担を過小評価していました。今回の模試の結果から、その負担感に対する評価を改めております。

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