【2025年受験】実践女子学園の併願戦略について
併願戦略シリーズです。今回は、実践女子学園を扱います。自由が丘近郊にお住いの方の学校見学の参考にと考えております。よろしければお付き合いください。
2年前の受験のときに記事を書きましたが、今はその時代とは難易度が決定的に違う受験になりました。
昔は、どういう風に考えていたのか、参考までに併せてご参照ください。
※偏差値の表記は、日能研・四谷大塚の結果偏差値、SAPIXのvol.1を参考にしています。
基本的な考え方
実践女子学園の全日程を受験するとなると、以下の日程になります。
1日/午前:実践女子学園/午後:実践女子学園
2日/午前:実践女子学園/午後:実践女子学園
3日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
4日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
実践女子学園は複数回受験の優遇がありますので、第一志望の場合は極力多くの日程を受けに行くことをお勧めします。
ただし、全日程を受験しに行くのは精神的なリスクがあるので、現実的には1日午後は回避します。
1日/午前:実践女子学園/午後:御守り校
2日/午前:実践女子学園/午後:実践女子学園
3日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
4日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
こういった流れが無難だと考えます。
御守り校のところには、自由が丘近郊だと玉川聖学院かトキワ松学園が考えられるでしょうか。
共学校を挙げると切りがなくなるので、女子校だけをピックアップしました。地域によっても変わると思いますが、偏差値表情で同程度の学校を選ぶのが無難だと思います。
併願校について
実践女子学園の場合、これまでの学校と少し違う考え方をします。それは、実践女子学園を併願校にしやすい学校で考えます。現実問題で言えば、実践女子学園は、まだ第一志望になる学校ではないと考えています。ゆえに御守り校として考えてらっしゃる方が多いので、その方向で記事をまとめていきます。
[山脇学園]
まず最初に挙げるのは、山脇学園です。
組むとすれば、以下のようになるでしょう。
1日/午前:山脇学園/午後:実践女子
2日/午前:実践女子/午後:山脇学園
3日/午前:御守り校/午後:実践女子
4日/午前:山脇学園/午後:実践女子
という感じです。山脇学園の受験は3回です。その間に実践女子を差し込んでいきます。1日午後の実践女子は難化しているので、山脇学園を第一志望にする層では外す危険性があります。ただ、そのリスクを飲まないと、3日午後に第一志望優遇の保険が掛からなくなります。山脇学園を第一志望に据えられるレベルの子は、おそらく2日午前の実践女子は合格すると思います。
その実力を信じて戦略を立てれば、セーフティーネットは3日午後と4日午後の実践女子になるかと思います。そして、最悪の事態に備えて、3日午前の受験校を見つけておくことが大切です。そもそも論になりますが、2日午前の実践女子を通らないレベルの子は、山脇学園を受験しに行ってはならないので、この日程は無難になると考えています。
実際に、去年進学した子に話を聞くと「山脇学園に落ちて実践女子に来た子が多い」と言っていました。そういうものなんだと思います。
[東京女学館]
その流れで行くと、東京女学館にも同じ論理が成立します。
1日/午前:東京女学館 /午後:実践女子学園
2日/午前:実践女子学園/午後:東京女学館
3日/午前:東京女学館 /午後:実践女子
4日/午前:御守り校 /午後:実践女子
東京女学館は山脇学園よりも合格しやすいので、少しは余裕があると思います。特に2日午後の日程は、山脇学園と違って合格しやすいです。また、同じ渋谷にあるので午前午後の移動もしやすく、相性は良いと考えます。個人的には、東京女学館を推しているので、この日程はお気に入りです。
山脇学園よりも東京女学館の方がリスクは少ないですが、それでもリスクが無いわけではありません。チャレンジの場合は、1日の午前午後を入れ替えるというパターンもあります。東京女学館に関しては、女子校激戦区の2日午後で支持を集めているわけではないので、後半の日程の方が入りづらいというのはありません。
1日/午前:実践女子学園/午後:東京女学館
2日/午前:実践女子学園/午後:東京女学館
3日/午前:東京女学館 /午後:実践女子
4日/午前:御守り校 /午後:実践女子
ゆえに、堅実に実践女子を合格してから東京女学館を取りに行くという筋も、無難な選択になります。
[普連土学園]
さらに同じ理論で挙げるとすれば、普連土学園です。
1日/午前:普連土学園 /午後:実践女子学園
2日/午前:実践女子学園/午後:普連土学園
3日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
4日/午前:普連土学園 /午後:実践女子学園
という感じになります。普連土も、山脇学園と比べれば戦いやすい印象です。ただ、東京女学館のようには1日の午前午後は入れ替えられないので、こういう流れ一択にあると思います。
その点で言えば、突っ込む判断は、東京女学館よりも慎重になるべきです。普連土がチャレンジとなる場合は、実践女子を押さえにしている場合ではないかもしれません。
また、小規模のミッション系である普連土と比較的大規模の部類に入る実践女子では学校の雰囲気が異なるので、あまり併願するイメージはありません。日程上はかみ合いますが、ちょっと違うのかなと。その点で、カリタス女子もかみ合いますが、お勧めする日程ではありません。
[相性が悪い学校]
実践女子と併願日程の相性の悪い学校は、1日2日の午前中に試験のある学校です。田園調布学園、品川女子学院、共立女子学園、昭和女子大学附属等です。少し前までは、実践女子を田園調布の御守り校にできました。
1日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
2日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
3日/午前:御守り校 /午後:実践女子学園
4日/午前:田園調布学園/午後:実践女子学園
こんな感じです。しかし、今はもう無理です。午後受験は、SAPIX生からも不合格者が出る時代になりました。絶対にダメだとは言いませんが、上記の学校を第一志望にするくらいの実力ですと、この日程は危険な時代になっています。もちろん、この日程でも3日午後に優遇されますし、そこで合格する可能性はありますが、2日目まで全×だった場合の精神状態を考えると何が起こっても不思議ではありません。
まとめ
実践女子学園を併願に組む場合のポイントをまとめますと、
①3日以降に優遇される保険を掛ける日程を組む。
②1日2日のどちらかの午前を受験できるように組む。
となります。仮に、午後受験で通そうと思えば、大妻以上を第一志望に出来るレベルからになると考えます。そこに到達していない子に関しては、細心の注意を払う必要があり、数年前までの感覚で考えていると厳しい結果になる危険性があります。すでに、偏差値50前後の学校と比較するとき、「どちらを第一志望にするか」という横並びで考えても不思議に思うことはありません。
実践女子の偏差値は、各社のもので今年も順調に伸びています。特に、午後入試はSAPIXで偏差値40に到達しています。来年も上昇傾向を維持するかわかりませんが、もし維持するようなことがあれば、かなり危険な状況になるはずです。ゆえに、来年の受験からは午前中から受験することをどこまで真剣に考えるかが大切になります。
この記事では自由が丘から通いやすい女子校を中心に考えましたが、地域が変わったり、共学校を視野に入れる場合は話が変わってきます。そういう方は、気軽に学習相談にお越しください。