【ボウリング】サンディングとポリッシュの効果
1 はじめに
ボールの表面加工のひとつとして、「サンディング」があります。サンディングの逆の加工が「ポリッシュ」です。
実は私、この分野はあまり詳しくないんですが、でもやはり入門から初級にかけて、なかなか釈然としなかった部分ですので、その部分(の基礎知識)だけでもお伝えしたいと思い、記事にすることにしました。
まずは端的に、両方の表面加工の意味を記述します。
【サンディング】
ボールの表面をザラザラにします。見た目には光沢がなくなり曇った感じになります。アブラロンパッド等(後述)を使用して表面をこすることにより行います。
【ポリッシュ】
ボールを表面をツルツルにします。見た目には光沢が出てピカピカになります。ポリッシュ剤を使用して表面を磨くことにより行います。手で磨いたり、ボウリング場にポリッシュする機械があったりします。
さて、サンディングとポリッシュ、それぞれにどんな効果があるのでしょうか?
私が初心者の頃に思った、不完全な(誤りともいえる)理解をまずはお伝えします。
【❎サンディングの不完全な理解】
ボールの表面がザラザラになるので、より曲がるようになる。
【❎ポリッシュの不完全な理解】
ボールの表面がツルツルになるので、あまり曲がらなくなる。
それぞれ合っている面もあるのですが、不完全であり、このままの理解で実施すると想定外の動きとなるでしょう。
2 例えの事例による考察
正しい効果の理解のために、別なことに例えて説明します。
【車のスタッドレスタイヤと夏タイヤ】
雪国に住んだことのない方は分かりにくいかもしれませんが、ぜひ想像してみてください。
スタッドレスタイヤは夏タイヤに比べて、圧倒的に雪や氷に強いです。素材が柔らかいことと、ここで重要なのは、タイヤの表面に大小の溝がたくさん刻まれていることで、冬の雪道でもグリップし、走行することができます。
一方、夏タイヤで雪道を走行するのは極めて困難です。滑って車のコントロールが効きません。
ここで想像してみてください。それぞれのタイヤを履いて雪道を走行し、途中から道路の雪が無くなり乾燥路面に変わったとします。
スタッドレスタイヤの場合、雪道部分は問題なく走行できるでしょう。そこを抜けて乾燥路面に出ても、一応問題なく走行は可能ですが、夏タイヤと比べるとグリップ力が弱いなど劣る面が多いです。
次に夏タイヤの場合です。雪道部分はまともな走行は困難ですが、ツルツル滑りながらなんとか抜け出し、乾燥路面に入りました。ここは得意分野、安定した走行でグリップ力もスタッドレスより圧倒的に強いです。
さて、ボウリングに戻り、前述の言葉を次の次のとおり対応させてください。
◼️ スタッドレスタイヤ → サンディングしたボール(表面がデコボコで共通)
◼️ 夏タイヤ → ポリッシュしたボール(表面がツルツルで共通)
◼️ 路面の雪や氷 → レーン上のオイル(滑る点で共通)
ボウリングも、投げられたボールは最初オイル上を通過しますが、ここはとても滑ります。やがてオイルのゾーンを抜け、オイルのないゾーンを通ってピンに達します。
サンディングしたボール(スタッドレスタイヤを想起)は、表面がザラザラですので、オイルには強いです。それでもさすがにオイルの厚いゾーンは滑っていきますが、薄いゾーンに達すると徐々にレーンをキャッチして半噛み状態になってきます。
そして完全にオイルを抜け、グリップして曲がるわけですが、ここはポリッシュしたボールにはかないません。
一方、ポリッシュしたボール(夏タイヤを想起)は、表面がツルツルですので、オイルには弱く、少しのオイル上でも滑っていくイメージです。しかし完全にオイルを抜けると強さを発揮します。
ツルツルしていて凹凸が少ないということは、表面が平らなわけで、レーンとの接地面積がサンディングしたボールよりも広いことになります。ということは、摩擦力も大きいということで、ドライゾーンでのグリップ力が強いです。先程の夏タイヤが雪道から乾燥路面に出た場面を思い出してください。
3 各ボールの特徴のまとめ
上記を踏まえ、各ボールの特徴を次のようにまとめてみました。先程の例を思い出していただくと、納得していただけるかと思います。
⭕ サンディングしたボールはオイルに強いので、少しのオイルならレーンをキャッチして曲がることができます。ただしドライゾーンでのグリップ力はやや劣ります。レーン全体としてはゆったりとした曲がりになります。
⭕ ポリッシュしたボールはオイルに弱いので、オイル上では滑って直進します。オイルを抜け出すと摩擦力が強いので、シャキっと曲がる、キレる感じになります。直進とキレ、メリハリのある動きというイメージです。
4 道具類
サンディングするには、アブラロンパッドやマイクロパッドが代表的かと思います。ポリッシュには、ポリッシュ剤としてコンパウンドが含まれたクリーム状のものがあり、いずれもプロショップやネット通販等で入手できます。
この記事では、サンディングとポリッシュの効果を説明することが目的なので、道具類の詳細な説明は割愛します。興味のある方は、ネット等で調べ研究してみてください。
5 終わりに
こちらも主題から外れるので詳細は割愛しますが、一口にサンディングと言っても、番手というものがあり、500番(#500などと表します)というと相当ザラザラですし、2000番とかだと比較的マイルドなザラザラです。サンドペーパーの番手と同じです。また、ポリッシュにも同様に番手があります。
使用する番手によってサンディング等の度合(程度)が変わってきますので、目的に応じて程よいものを選択する必要がありますが、この辺りは、興味があればぜひ他のサイト等によりご自身で研究してみてください。そこは私の出る幕ではないと実は思っております(笑)。
お読みいただきありがとうございました。