【ボウリング】幅のあるレーンとは?
ボウリングで使われる表現で「8枚目あたりに幅がある」とか、レーンの「幅のある所を探す」などといった言い回しがあります。
ボウリング入門者~初級者ぐらいまでだと、通じない方もいらっしゃるでしょう。「幅」という言葉にボウリング独自の意味があるからです。
この記事では、冒頭の言い回しの意味の解説、そして意味よりもお伝えしたいのは、まさにその「幅」のある所を探して投げることの重要性です。主に入門者から初級者向けに述べたいと思います。
スペアがある程度取れるようになったら、更にスコアアップのためには、連続ストライクが必要、そのために不可欠な知識となります。
ボウリングのレーンは、両サイドのガターと、それらに挟まれた板目状になっている平らな部分があり、平らな部分の「幅」は106.6cmであり、39枚の板目があります。
ここでいう「幅」は、一般的な誰もが使う意味の「幅」であり、解説したいのはそのことではありません。
本題に入る前にひとつ設問です。
頻繁に連続ストライクを出している人は、コントロールがめちゃくちゃいいということでしょうか?
答えは、一部正解で、一部間違いといったところです。
やはり経験を積んでくるとコントロールも良くなりますし、狙った位置にボールを到達させるには必要なスキルです。しかしプロでも多少の狂いはありますし、投げミスもします。コントロールだけではなく、別な要素のひとつとして、レーンの「幅」を利用している、ということになります。
では、まず前提になる部分からお話しします。
まずは下の図2を考察します。
レーンにはオイルが塗られています。そのオイル、一般的には無色透明ですので、直接目視で確認することはできません。説明の便宜上、図では青く着色しました。
このレーンの状況で、ボールをフックさせてポケットに当てストライクになるライン、黒で示したラインが見つかったとします。
このラインを詳しく見てみましょう。
ファールラインからボールが放たれ、まずはオイルのあるエリアを通過します。オイル上は滑るので、回転がかかったボールでもそのまま直進していきます。
オイル地帯を抜けると、ボールとレーンの間に摩擦が生じ、間もなくボールの回転に従って曲がっていきます。そしてポケットに到達し、見事ストライクという状況です。
次に下の図3を見てみましょう。
その後の投球で、再度黒のラインを描くよう、同じ立ち位置から11~12枚目辺りを狙って投げたところ、外側(右側)に投げミスしてしまったのが黄色のラインです。
このラインは、やはりまずはオイル地帯を直進しますが、黒よりも手前でオイルから抜け出します。従って、黒よりも早くから曲がり始め、大きく曲がって結局は黒と同じ地点に到達しています。
逆に内側(左側)に投げミスしたのが赤のラインです。
黒よりもなかなかオイル地帯から出られず長く直進し、ようやく抜け出しその後曲がって、すぐにポケットに到達です。オイルの中を長く通ったために曲がりが抑えられ、結局は黒と同じ地点に到達しました。
このように、多少狙いからズレてしまっても、オイルとの関係からミスを帳消しにしてもらえる状態が「幅のある」状態です。
オイルのある部分とない部分の「境目」を利用しているわけで、新たなレーンで投げ始める際は、この境目を探し「幅」を活用することが、多少のコントロールの狂いが帳消しになり、安定してストライクを出すことに繋がります。
ここまで来ると、冒頭の「8枚目あたりに幅がある」とか、レーンの「幅のある所を探す」といった言い回しの意味は、問題なく理解できるかと思います。
この記事のタイトルに「幅のあるレーンとは?」と掲げていますので、そうなると、図3のようなレーンは幅のあるレーンということになります。
幅のあるレーンとは、「投げるラインによっては、多少のコントロールミスをしてもミスを帳消しにしてくれるエリアがあるレーン」と言えるでしょう。
ちなみに、全面オイルべた塗りのレーンがあったとすれば、それは幅が全くないレーンで、極めて難易度の高いレーンです。
現実に図4に示すような全面べた塗りのレーンに出会うことはないでしょうが、あったとすれば激ムズです。
何かの企画とかならあるかもしれませんが、しれっとこんなオイルをひいて客を入れるセンターがあったなら、どういう考えなのか謎が深いです😅
ボウリングのレーンは、図4の赤で示すように、ファールラインからスパットまでの距離を1とすれば、ファールラインからピンまでの距離が4です。
従って、ボールを送り出してからスパットまでの距離で、狙いが横に2cmズレた場合、そのズレはピンに到達した時には、机上論としては4倍に拡大され、8cmのズレとなります。
こんな状況では、ポケットに当て続けるのは至難の業でしょうね。
今回初めて「幅」のことを知ったボウラーさんは、ぜひ今後、幅のあるラインを探すようにして、高得点を目指していただくことをお勧めします。ただし、すぐにできるようにはならないと思います。
実際のレーンではオイルに色はついていませんので、オイルの分布は、ボールを何回も実際に投げてみないと分かりません。投げてみて、その動きを見てオイルのあるなし(分布)を探り把握していくわけですが、この観察し認識する作業を「レーンを読む」と言います。
最初はレーンを読もうとしても、なかなか難しいかもしれません。しかし、無理とあきらめて読もうとしなければ、どれだけ月日がたっても読めるようにはなりません。
読もうとし続けることで、段々と読めるようになりますので、連続ストライクをバンバン出せるようになりたいと思う方は、是非ボールの動きをよく観察し、オイルのあるエリアと、その外側のオイルのないエリアの境目を探す意識で、この訓練をしてみてください。
私としては、気長に、ゆっくり、楽しみながらで結構かと思います。
長文になってしまいましたが、読んでいただきありがございました!