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野武士のグルメ/久住昌之✖️土山しげる
定年を迎えた香住武は、昼下がりの散歩中、なんでもない焼きそばとキンキンに冷えたビールのうまさを知ってしまう。
そして、ひとり飯の楽しさに目覚めた彼は、心もお腹も満たしてくれる至福の美味しさを探し始めるのだ。
「風邪の予感を吹き飛ばす熱々タンメン」
「気合入れすぎなご馳走スキヤキ」
「殿様の麦とろ飯」
「民宿の朝ごはん」
など、全九編。
ひとり飯という部分は孤独のグルメと共通しているけれど、定年を迎えた事で余裕があるという違いがある。
時間に追われたり、人間関係に縛られるという事が無くなるから働いている時には向けられなかった視点や考えにも思いを巡らせる事が出来る。
「悪魔のマダム」の様にもちろん失敗する時もあるだろう。けれど、面白さも格段に上がる。
定年にどこかネガティブなイメージを持っていたけれど、その後にも面白さがあるのだと思うと楽しみになってきた。