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天橋立にいってきたのだ

 退職して1年半過ぎて、車も売り飛ばしてしまうと、知らぬ間に出不精になってしまった。このまま運動もせずにダラダラしてるとデブ症・・・にもなるかもしれない。
 そう思って体は動かすようにはしているのだが、外出しても買い物くらいで、たまに病院や他の用事で街まで歩いていくくらいである。
 小倉駅まで片道約3kmちょっと。毎日続けていれば、それなりの運動にはなるのだろうが、今や夏ではあるし、用事がない限り、外出したくない。用事を作ればいいのだろうが、なかなかそう簡単に用事は作れない。
 病気になる前は用事なんてなくてもフラッと歩いて回ったものだったのだが、堕落してしまった。
 毎日机のパソコンに向かって、エッセイを書いたり、ショートショートを書いたりしている日々である。
 そんななか娘の所に行こうと決心した。観光目当てである。娘は京都にいる。今までは土日に休むなんてなかなかできなかったから、妻だけが、行くことが多かったのだが、今は毎日が日曜日なのでいつでもOKだ。
 そういうわりには京都は頻繁にいっているので、どこへ行こうか、と考えていたら、妻が天橋立に行ったことがない、というので、そこへ行くことにした。京都といっても、かなり外れにあるので、妻は行くことがなかったのだろうが、僕は大学時代友人たちと北海道に行く途中、寄った記憶がある。舞鶴からフェリーで小樽へ行く前に近くだからと寄ったのだ。
 調べるとJRで行くとかなり高いので、京都駅からバスで行くことにした。約半額である。所要時間は一緒くらいだ。インターネットで予約した。
 新幹線はスマホで、スマートEX早割で予約をすると、かなり割安で行ける。いつもこの手を使っている。広島に帰る時は、日本旅行のひかり・こだまの特別に安い企画のものがあるので、それを使う。所要時間が少し長くかかるが、別に気にならない。
 金曜日の昼過ぎに出発することにした。天橋立は土曜日に行って、日曜日に適当に観光して帰ってくるプランである。      
 さていよいよ京都に行く日が来た。 
 新幹線で午後から京都に向かった。午前中は病院があったので、午後12:30発の新幹線に乗ることにした。いずれにせよ娘は在宅勤務だとはいっても仕事中であるので、邪魔はできない。息子と俺と予約したホテルに入った。妻は娘の所に泊まるので、そっちへ直行した。
 1人一泊1800円にホテルである。じゃらんの持っているポイントとポイ活でためたdポイントで払うことができたので、2泊しても実質タダである。ただし1人一泊につき200円の宿泊税が今はかかる。それは別料金でしかもキャッシュである。
 これがまた狭いホテルであった。部屋の入口なんか一人しか立てないし、廊下もバカ狭。部屋は四畳半2つである。おまけにエレベータは4Fまでで、5F以上は狭い階段を上らねばならなかった。
 火事の時は助からんだろうなあと思った。
 翌朝バス乗り場で集合し、8:55発の高速バスに乗り、我々家族は一路天橋立に向かった。
 11:00着の約2時間コースである。マスクをしたまま居眠りをしていると、涎が垂れて、マスクにたまってこぼれた。汚ね~。
 11:00丁度に到着すると、まずは橋立を渡る前にリフトに乗って、ビューランドにいった。このビューランドと橋立の向こうの笠松公園に展望台があって、逆さ吊りじゃなくて、尻ぬぐいでもなくて、股覗きをする場所がある。逆さまに見ると竜が飛んでいる姿に見えるのが、このビューランドのほうである。
 遊園地になっている。小さいお子様用の遊戯がたくさんほどではないが、並んでいる。
 そこでお昼を取った。スペシャルメニューのアサリご飯とアサリの串カツとわかめの味噌汁、サザエが3つ。1800円。クレジットが使えず、キャッシュオンリーには時代錯誤を感じたが、致し方ない。まだ古い観光地はこういうところが多い。多分もうすぐQR決済くらいはできるようになるだろう。デザートに橋立プリンというのを食したが、たいして他のプリンと違わなかった。一応おいしかったけど。
 さて一行は天橋立を徒歩で渡ることにした。船という選択と貸自転車という選択もあったのだが、3.6km歩いた。家から小倉駅くらいまでなので、大してないだろうと思った。ましてや勾配がないフラットな道である。途中、与謝野晶子の碑や岩見重太郎の碑があったり、羽衣の松があったりしたが、それはどうでもいい。これが白砂青松というのであろう、海と砂と松が綺麗だった。
 渡りきるのは予想外に結構しんどかった。ここは中学生たちや会社員たちの通学通勤路でもある。通り過ぎる自転車が、観光客ばかりでなかったのはそれで頷けた。
 笠松公園にリフトで登った。ご当地キャラのかさぼうは、土曜日というのにいなかった。ここで股覗きをすると、天と地が逆転して、まさに天に橋が架かったように見えるらしい。多くの人は頭が逆さまになるので、気持ち悪がっていた。
 ここから上にバスで登ると成相寺というお寺があって、左甚五郎の彫った竜があるそうだが、3.6km歩いた家族は疲れていたので、ここで引き返すことにした。
 帰りは船で帰った。かもめが船にやたらによってきて、エサをねだっているようであった。
 陸に着くと智恩寺を観光して、ぜんざいを皆で食べた。それからはバスの時間まで妻の買い物タイムである。バスは17:00に来る。丹波黒大豆のうす甘納豆は結構美味かった。
 そしてバスが来て天橋立とサヨナラした。帰りのバスの中でまた居眠りをしながら涎が垂れてマスクにたまって、こぼれた。汚ね~。

 涎が出るのは元気な証拠。



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