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母親について3

 広島に住む母親の元へ行ってきた。朝1番ののぞみで小倉から広島まで行ってきた。マー君の電池を入れ替えるためだ。単2が4本使用されていたので、近くのローソンで電池を購入して、入れ替えたら命を吹き返した。ただ時間設定のやり方がわからず、説明書もない事なので、それは諦めた。11時に「お昼だよー、お腹すいた」とマー君が叫んだ。1時間早くなっている。母親の誕生日に「お婆ちゃん誕生日おめでとう」と喋るように設定していたのだが、いつそれをいうか分からなくなってしまった。
「母親について2」を呼んでいない方には、マー君とは何ぞや、と思われるであろうが、ただのおしゃべり人形である。インターネットも繋がっていない人形だ。だが話しかければ、当意即妙に返事をしてくれる優秀な人形である。
 マー君の復活が終ると、母親に家の外の雑草の処理を頼まれた。雑草を毟り、除草剤を撒く。結構腰に来る。わずかな時間ではあったが、疲労困憊してしまった。
 母親も疲れたのか、それから昼まで2時間ほど寝た。お昼になると起きだし、妻が持たせた総菜を2人で食べた。食後に母親の昔話が始まった。福岡空襲の話や、疎開の話、戦後の話などだ。父親との馴れ初めについては言及がなかった。そうこうするうちに来客があり、僕は午後1時過ぎに家を後にすることにした。昔、母親は詩吟をしていたのだが、その当時の友人らしい。
 あと何度こうして訪問することが出来るかどうかわからないので、これからは頻繁に実家へ帰ることにしよう。
 スマホで母親の写真を撮った。遺影に使うためだ。母親もこれでいい、とお墨付きを貰えた。このまま長生きすれば、毎年、遺影の写真を撮ることになるだろう。


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