体力の限界
妻は結構いい歳である。僕が既に引退しているのだから、当然といえば、当然なのだが、姉さん女房で、しかも高齢者の範疇に入ってしまっている。仕事は辛かろうと思う。それでもバスガイドの仕事が好きなのだろう。文句ばっかりいってるくせに、頑張っている。
バスガイドは体調に気を遣わなければない。運行中、トイレに行きたくなっても困るではないか。それに突然体調を崩して、仕事に穴を開ける訳には行かない。信用問題なのである。
それが先日、仕事が終るなり、体調を崩して、病院に行った。もういい歳だからと、引退をほのめかしていたが、結局はまたバスに乗って、今度は元気に帰ってきたが、帰ってくるなり、風呂にも入らず寝てしまった。
昨今、若いバスガイドは育たず、また育てるバス会社も少なくなり、ベテランばかりになっている。70代のバスガイドもいるらしい。それで秋の忙しいシーズンを乗り越えていけるのであろうか。週5日の勤務で2日必ず休みがあるというのなら、あるいはまだ可能なのかもしれないが、いやそれでも難しいようには思うが、秋は普通ぶっ続けである。休みなんて2週間か3週間に1回くらいしかない。60代の体力で去年は乗り越えられたが、今年は乗り越えられるか、不安でもある。
引退勧告を出してもいいが、結局は自分が好きでやっていることなので、無理にやめさせるつもりもない。自分で無理だと思えば、自分からバスを降りるだろう。その間、何事も起こらないのを祈るばかりである。