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声優

 昔は声優というと、俳優になりきれない劇団の人たちのアルバイトの場みたいな職業だった。それが今や声優志望の若者がわんさかと出てきて、声優専門の学校に行って、プロの声優になろうと必死になっている。
 成功するのはいつもどんな時代も一握りの人たちでしかないが、草創期にはなり手がなくて、1人何役もこなしていた。
 息子の同級生が、声優になろうと東京へ出て頑張っているようだが、大勢の中の1人から抜け出せずにいる。
 それでも今はゲームだったり、ドラマのエキストラだったり仕事はあるようで、何とか生活をしているようではある。
 そんな努力をしてもなかなか実を結ばない人もいるかと思えば、ひょいっと中央に出て活躍する人もいたりする。僕の推しの當真あみは声優経験0でいきなり「かがみの孤城」の主人公の声を担当したし、それ以外にも声だけの仕事を幾つかこなしている。本業は勿論俳優である。
 個性が大事である。制作側がこれは、と思ってくれるかどうか、である。その意味では平凡なその他大勢がどんなに努力しても成功はしない世界なのである。
 今、声優は昔と違って、顔を出してライブを行ったり、役のある俳優になったりして、成功している人たちがいて、それが輝いて見えるのだろう。
 それで急激に声優志望の人が増えたのだろうとは思うが、そのほとんどが夢破れて去っていくことを思えば、厳しい世界だな、と思わざるをえない。

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