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初夢

 ドラッグストアでワンカ ップを2つ、柿ピーを1袋、買って帰る。6畳1間の古くて安い公団のアパートの1階に我が家がある。そこに年老いた妻と2人で住んでいる。子供たちは皆独立した。2人だけになった。広いマンションを買っていたのだが、老朽化していることもあり、管理費も上がってきたので、2人だけなら、公団アパートに住み変えた方が安く上がりそうなので、引っ越すことに決意した。
 仕事は何もない。年金だけで暮らしている。これまでの蓄えと年金だけで十分暮らしていける。ワンカップ2つは妻と分けて飲む訳ではない。妻は酒が飲めない。柿ピーは大好きだが。それがせめてもの数日に1回の贅沢である。
 雨の日以外は健康のために近くを買い物がてら2人で散歩する。家に帰ると狭い6畳だが、何もないので、そんなに狭くは感じない。布団を2枚敷けば、ほとんど畳は見えなくなる。それが何だか嬉しい。
 息子とは毎日、スマホでやり取りをする。鬱病の気があるので、心配だが、今や奥さんを貰い、元気に仕事をしているので、それほど心配はしていない。娘はLINEで毎日やり取りをしている。相変わらず仕事が忙しそうだ。とはいえもうじき定年だ。定年後はどうするのかは何も聞かされていないが、おそらく延長して働くのだろう。
 知的障碍者の長子は、グループホームで生活をしている。週に1回、顔を見にいっている。すでに彼も仕事は定年を迎え、週に数時間草むしり等のアルバイトをして過ごしている。
 妻ももう90歳になる。持病の喘息以外は何処も悪い所はないが、お互いそろそろお迎えが来ても不思議ではないので、十分注意しなければならない。
 そんなささやかな生活をしている夢を見た。
 

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