お墓の話
我が家の墓は広島の五日市というところにある。90歳になろうかという母親が1人で住んでいる。高齢のため体が思うようには動かないので、もう何年も墓参りにいっていない。僕もそういえば、車があった頃は、広島へ帰るたびにお墓参りをしていたのだが、ここ数年、ご無沙汰である。広島に住む妹夫婦が節目節目に面倒見てくれているようだ。頭が下がる。
以前「私のお墓の前で泣かないで下さい。そこに私はいません」みたいな詞の歌が流行ってから、お墓参りが減ったというジョークがあったが、それに便乗した訳ではないが、罰当たりである。
ところで問題がある。その墓にあと何人入るのかである。母親が入って満杯になるならば、別に墓を設けなければならない。僕と妻のスペースがあれば、息子の課題になる。いずれにしても現在の家族5人は全員入ることは難しいということだ。
妻は海に散骨してくれればいいというが、それも何だか切ない。命日に海に向かって手を合わせることになるのであろうが、対象物が海となると、漠然とし過ぎて、お詣りした気にならない。もっとも妻が先に僕よりも死んだらの話なので、僕が先に死ねば、息子たちが協議するであろう。でも妻と同じ墓に入りたい、と僕は思っている。
まあいずれにしても息子たちが決めればいい事である。どうせ妻が死ぬときは僕も死んでいるか死に損なっているかの状態だろうから。